その年の夏は忙しかった .
昨年頻発した災害の影響もあったのだろう ,
蛆のように呪霊が湧いた .
私は 呪霊を祓い 授業を受け 寝る
そんなルーティンを繰り返していた .
蒸し暑さが喉を絞めるようで息苦しく
なにもかも辞めたくなるような倦怠感に襲われる .
もう全てが嫌に感じていたのかもしれない .
寮の共有スペースのベンチに深く腰を下ろして
手元のジュースに浮かぶ波紋をただ眺める .
ひとつふたつと溢れる独り言に
ハッと気がつき四神達の方を見る .
だが四神達は俯き視線を合わせない .
四神達は今までの約17年間能力を強化し続けて
それぞれの力を存分に発揮できている .
弱いのは私 ,
みんなに上手く指示できなくて
弱くさせてるのは私なの .
大丈夫 大丈夫 って言い聞かせてきた .
私がもっと頑張ればきっといつか ,
あの2人と対等とまではいかなくても
後ろを追える存在になれると信じてた .
でも現実はそんな甘くなくて
私には越えられない高い壁があった .
その壁を私は越えられない .
硝子は医療担当だから入らないのはわかる .
でも私は2人と一緒に呪霊を祓ってきた
一緒に任務にも行った .
なのに ,
私は前からずっと孤独だったみたいだ .













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!