星奨体なんて正直どうでもよかった .
悟が間に合わなかったぶん
傑が生きてくれればそれでいいと思った .
やがて古びた建物の前にたどり着いた .
そこは青龍が示した 薨星宮の入口 .
ボロ臭い見た目からは想像もできないけど
青龍が見たのだからきっとそうなのだろう .
と その時 重い金属が軋むような音と共に
目の前の扉が開き 1人の男が出てくる .
悟なんかよりずっと身体が大きく ,
だらしない服装の男は
そう言い気だるそうにあくびをする .
身体には芋虫のような呪霊が巻きついていて
ちょうど血のついた刀を食べさせていた ‥ ,
いや 刀を丸呑みして無傷 格納型呪霊のようだ .
その立ち振る舞いから
すぐにこの男が悟を殺したのだとわかった .
そしてその格納型呪霊以外の呪力を感じない
フィジカルギフテッドという種類の
人間なのだろうか .
そう答えると口角を上げニタリと笑う .
やっぱりこの男が ‥ と復讐心が
込み上げてくる感覚がわかる .
が 男は続けて語り続けた .
呪霊操術となると死んだ後
面倒なことになりそうだからな と
鼻で笑いながら後頭部をぽりぽりと掻く .
その様子を見た瞬間
心に釘を打ち付けられたように痛むのを感じた .
四神もいない ろくに武術もできない .
一目瞭然で負けるってわかるのに .
やるせない気持ちから
何も考えずに男に立ち向かった .
渾身の力で男に振りかざした拳は
いとも簡単に受け止められる .
そしてそのまま腕を捕まれ
宙に浮く身体 .
その言葉を聞いた直後
首筋に強い痛みを感じ私は気絶した .














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!