数週間後
学校は夏休みに入った。
みんな海やプール、夏祭りなど夏休みならではの
行事をそれぞれ楽しむのだろう。
宿題に追われる人や部活に休みを捧げる人も
居るかもしれない。
私は、モデルの活動が休みとなり、1ヶ月の
長期休暇となった。
数年前までは、家族水入らずで世界中に旅行した。
父はよく、ノルウェーにある別荘に連れて
行ってくれた。
でも今は違う。
思い出の別荘で一緒に遊んでくれた母は居ない。
私の小さい頃の思い出の別荘は今、父の新しい
妻の物だ。後妻に夢中になった父は私には
無関心になり、あの別荘へは連れて行って
くれなくなった。それどころか、家に全く
帰ってこない。その代わり、私の元には毎月
大金が振り込まれるようになった。
金をやるから、関わってくるな、と言う事だろう。
なるべく涼しくて、落ち着ける田舎
そこへチラシが目に入った。
でも、未成年を泊まらせてくれる宿なんて
まともな所じゃないだろうし。
そもそも行って何をするのかも全く考えて
いない。
ただなんとなく行きたいと思っただけだ。
なぜ行きたいと思ったんだろう。。。
考えたら、割とすぐ答えが見つかった。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!