こったろSide
隠し扉を見つけた俺は
好奇心にかられ
道を進む
明かりなんてものはなく
どこまで続くか分からない道を
歩き続けないといけないのかぁ…
……と思っていたら
案外すぐに部屋に出た
こぢんまりとした部屋
どこからか日が差し込んで
温かい雰囲気になっている
こんな部屋があったのかと
驚く反面
この部屋の雰囲気を
好きになっている自分がいる
目の前の机に
地図が広げて置いてある
赤いペンで大きく丸をつけられているところが有るが
俺は知らない、分からない場所だ
それでもその周りは
なんとなく見たことの有る地形だ
赤い丸以外は今と少しずつ地形が違うが
それは工事やら、建て替えやらで変わったのだろう
ただ、赤い丸については
今と全く違う
地図をめくった裏には
すたぽら王国と
手書きでかいてあった
どこか分からない国と思っていたから
諦めていたけれど
もしかしたら
まだ、国の跡地として
残っているかも知れない
そこそこに距離が有るが
行けない距離ではない
みんなで国を救うと決めたから
俺だけでなんて嫌だから
また、日を空けて
一緒に向かうことにする
「確定ではないけど、すたぽら王国らしい場所を見つけた
なんとなく、俺は残ってると思う
楽ではないと思うけど、俺は行きたい
ずっと探してたから
すごく気になるから
国のことを実際に見たほうがわかると思うから
うまく予定を空けて行かない?」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!