前の話
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オフィスに残って一人残業をしていた
社長_あなたの社長のお名前さんは近くの椅子に座り、腕を組んだまま私を見つめた
スーツの上からでもわかる体格と余裕のある視線
社長に話しかけられるとつい意識してしまうのだ
そう言って私の顔を覗き込む
デスクと私の間に彼の手が置かれる
逃げ道が消える
聞き返すとあなたの社長のお名前さんは一瞬黙った
呼吸が重なるほど近い
頭が真っ白になりそうだ
その言葉に否定しないといけない
しかし声が出ない
顎に指がかかる
持ち上げられるほどではない
小さく言うと、彼は楽しそうに目を細めた
指先が耳の後ろに触れる
そう言いながら腰に手が添えられる
引き寄せられる寸前で、止まる
背中に残った体温なかなか消えなかった












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!