今日は打ち合わせがあって
朝から会社に出勤した。
愛さんが飛んで来た。
SNSは事務所側からも管理されてるから
愛さんはそれを見て、心配してくれたみたい。
愛さんに抱きついた。
私は家族とも離れてるし友達もいないから
この会社の中くらいにしか
ただのあなたを見てくれる人はいない。
とくに愛さんは、
こーやっていつも気にかけてくれる。
私にとっては心強い味方だった。。
私は愛さんに昨日のユンギさんとの
楽しかった時間の事や、
社長が珍しく2日連続家にいた事、
最近プロデュースやDJの仕事を
認めて来てくれだした事を話した。
愛さんは自分の事のように喜んで
話を聞いてくれた。
その日は、大坂で音楽番組の
テレビの収録があったから、
打ち合わせを終えてお昼くらいから
新幹線で向かう。
収録は、時間が押したりして
予定よりも全然遅くなる事が多い
だから今回も帰りの新幹線は取らずに
一応ビジネスホテルを会社が取ってくれていた。
愛さんは今日、
どうしても外せない会社接待と被ってしまい
別のマネージャーについて来てもらった。。。
愛さんとだったら、ちょっと観光でもして
美味しい物でも食べたいなって思ってたから
少し残念、、、。
そう言って私は新幹線に乗った。
現地について、仕事をしていると、
以前プロデュースを頼まれて作曲を手掛けた
今注目されているバンドの友達から
電話が来た。
なんだろ?
「あなたさーーーん
やりましたよー!!!!!!」
「あなたさんのお陰です!!!!!!」
電話の向こうから、
メンバーの人達の嬉しそうな声が聞こえる。
元々注目を浴びてるバンドだったし、
みんな才能があるから、
私のお陰なんかじゃない
でも、素直に嬉しかった。。。
私もプロデュースの仕事をしてから、
はじめての事だったから。
収録は思ったよりも遥かに巻きで終わった。
まだ21時で新幹線の時間はあった。
とりあえず、オリコンを取った事を
誰かに報告したくって
愛さんに電話をかけてみた!!!!
プルルルル
プルルルル
プルルルル
プルルルル
......
出ないかー。。。
もう接待は終わってるはずの時間だけど。
社長はきっと接待の後は、
付き合いで飲み行ってるだろうから
120%電話してもでない、、、
えーこの喜びを、、誰かと共有したいのに〜
、、、、
ふと、ユンギさんの顔が思い浮かぶ
照れ臭そうに、目線を斜め下に向けながら
そんな事を言ってくれたっけ。。。
電話をかけようしたけど
一旦手を止める。
まだ電車もあるし、急いで帰ろっ!!!
そうして、私はダッシュで帰っていった。
東京に着くと、
タクシーを拾って事務所に寄る
まだ明かりもついていて、
何人か残って仕事をしてた。
入るなり、みんなが駆け寄って来て
お祝いしてくれた
そう言って渡されたのは、
可愛い花束だった
そっか〜、、、、
私の口から報告して、
愛さんにも喜んでもらいったかなー。。。
そのまま家へと直帰する
泊まりの準備をしていたから、
スーツケースを引きながら玄関の前に立つ
ガチャ
ドア開けると、何秒かして
寝室から大きな物音がした。
ドサッッッ
明らかに人がいる音だった。
よく見ると、私のじゃないけど
見慣れたヒールが玄関に脱ぎ捨ててあった
とりあえずスーツケースを玄関に置いて
音がした方へと向かう、、、、
寝室のドアを開ける。
部屋の中の光景を目にした瞬間
私の心が壊れる音がした。。。
上裸姿の社長が
片方の手でコメカミを抑えて
下を向いて立っている、、、、
そして、、、
ベットの上には、
何も着ずに胸元を布団で隠してる、、
愛さんの姿
固まって動けなかった。
早い、、、じゃん、、、???
だめだ、全然言葉が入ってこない。
なんも考えらんない。
社長が突っ立ったままの私に
開き直ったようにそう言う。
さっきから全然、社長の言葉が
理解できない。。。
なんだっけ、なんか、言ってくれよって、、、
そう言われたのか、、、、
なんか言わなきゃ、、、なんだろう、、
あれ、私、何言ってんだろ、、、?
違うよね、、、普通ここは、2人を怒って、、
もっと怒鳴って、、怒り狂って、、、
だめだ、、全然感情が出てこない、、、、
だんだん呼吸も苦しくなって来た。
もう、表情も作れなくなって、
無表情のまま顔をあげる
オリコン、取ったんだ、、、???
今、知ったの、、?
遅くまで残って仕事してた
会社の人達でさえ、すでに知ってて、
お祝いしてくれたんだよ?
それなのに、、、、、
今バカみたいな顔して
寝室でほとんど裸のこの2人は、
私が取った事すら、
今まで知らなかったの、、、????
私が、1番、喜んでもらいたかった
2人が、、、、、、、、
だんだんと感情が戻ってきた。。。
と同時に涙が出てきちゃった、
ダメだ、もうここにはいれない、、、
部屋から飛び出して、
玄関に置いてあったキャリーケースと
花束をもって外に出た。
行く当てもなく、ただ無心に歩いていた
はあ。どうしようか、私。。。
すると突然、またあの優しい言葉を思い出した
「なんかあったら、いつでも連絡しろ、いいな」
ユンギさんに、電話をかける
私にはもうこの人しかいなかった。。
10年間、大好きだった人と、
信じてた人、2人同時に、裏切られた。
もう、他にはなんにもないよ。。。
2人が一緒にいなくなっちゃったら、
もう、私は1人ぼっちだよ。。。
1人ぼっちは、嫌いなのに。。。。
電話の向こうで、
低いトーンの落ち着いたユンギさんの声がする
この声を聞いた瞬間、
壊れた心が、さらに粉々に砕け散った
膝から崩れ落ち、私は道端で泣き崩れた。
電話を切って5分もしないうちに、
ユンギさんが迎えにきた。
そのまま、タクシーにのり
ユンギさんが滞在してるホテルに
連れていってくれた。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。