買い物の帰り道。
俺の嫉妬心は、大きく膨れ上がっていた。
なんでかって?それは、莉奈が俺ではなく、莉久くんにしか
かまわないこと!俺の彼女じゃないみたい…
やった!やっと2人でいけ…
なんでよ!莉久くん、お姉ちゃんが、俺の彼女ってことが嫌なの?
2人の部屋
はぁ…やっと二人きり…疲れたぁ!
歩み寄ってきた莉奈をギューっと抱きしめる。
やっぱり、莉奈に触れていないとダメみたい…
ビックリして見ると、半泣きの莉奈がいた。
そう言って、涙を拭う。
どうして莉奈が泣く必要があるんだろう?
途切れ途切れだけど、どうやら、俺を心配?してくれたっぽい?
本当は嘘。莉久くんばかりにかまう、莉奈に苛立って、
莉久くんに嫉妬して…でも、莉奈は俺の心配してくれてる。
やっぱりそれって、好きって事なのかな?
ねぇ、俺、勘違いしてた。
嫉妬するからダメなんじゃなくて、嫉妬するほど、
その相手を大切に思ってる証拠だって…
もう、大丈夫。莉久くんとお話しよ、莉奈のお話を聞いちゃお!
そんなことを思いながら、俺は莉奈を抱きしめた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。