生まれてはじめて私が愛した人は、特攻隊員だった。
大きな愛を胸に秘めた、優しくて強い、あたたかな人。
私の大切な人。
彼は、私と出会ったときには、
もうすでに死を覚悟していた。
「愛する人たちを守るために、俺は死にに征くよ」
揺るぎない瞳で、そんな悲しいことを言った。
「行かないで」
と泣いてすがる私を、彼はただ静かな眼差しで包み込むだけで…
そしてある夏の日、怖いくらいにきれいに晴れた青空の向こうへ、一点の小さな光となって消えていった。
ねぇ、彰。
私の声が聞こえてますか。
あなたは今、どこにいるの?
そこは、痛みも苦しみも悲しみもない、
穏やかな場所ですか?
風に吹かれる花びらのように儚く散ってしまったあなたが、せめて今は、優しい夢の中で、
安らかに眠っていることを祈ります____。





![–夜行列車–《参加型[募集〆切済み]》](https://novel-img-gcs.prepics-cdn.com/prcmnovel-tokyo-prod-converted-images/p/82ThFMvVWcOQfRqTCuUMsvQISeC3/cover/01KKNWRDBTFAARBBZWS04E3SQA_resized_240x340.jpg)





編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。