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第6話

帰ろう
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2025/07/06 13:00 更新


私は保健室には行かず、校舎のいちばん端の階段を登っていく。





立ち入り禁止の屋上へと続くドアの鍵が壊れているのを、私は知っていた。






さびついた取っ手をつかみ、色褪せた古くさい鉄扉を押し開ける。
隙間からぶわりと熱気が押し寄せてきた。
直射日光に焼かれた屋上のコンクリートを踏み締めると、ざりっと嫌な音がした。









ざり、ざり、と自分の上履きが立てる音を聞きながら、
貯水タンクの陰に移動し、ごろりと横になる。



強すぎる日差しに包まれた屋上は、たとえ日陰になっていても、吐き気がするほど暑い。






どこにいたって居心地が悪いのは同じだ。




家でも、教室でも、青空の下でさえ、
私の苛立ちはおさまることがない。









でも、誰にも見られる心配のないこの場所が、1番マシだった。







放課後の始まりを知らせるチャイムが鳴るまでそこで
時間をつぶして、グラウンドに部活動生たちが溢れはじめた頃、私はやっと屋上を離れた。










それから、ひと気のなくなった教室にカバンを取りに戻り、逃げるように学校を出た。




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