あなたの下の名前side
部屋に向かった後、過去のことがフラッシュバックする
……食事制限をさせられた日の夜
こっそり持ってきていたパンを口に詰め込んだあの日
父はすごく怒っていた。
あの日からまともに食事ができなくなった。
バレていなければ、食べていなければ、今よりは食べれていただろうか……
父の会社で発明された腕時計。
体重や、口にした物など全てわかってしまう
だから、さっき食べ物を口にしたこともそれを吐き出したことも全てわかってしまっているだろう
今日の会議には母は来ないが父は来る。
きっと怒られるだろう
……普通の家系で生まれてれば……
父の会社に久しぶりに来た。久しぶりと言っても毎日仕事はしてたけどね
まぁ、予想通り怒られた
父は相当お怒りのようで下ろしていた髪を引っ張ってくる。
数時間後には会議が始まる
それまでには、終わるだろうと思えばなんて事ない
そう
なんて事ない……
予想通りすぐに終わった説教
父の秘書が駆けつけて来て止めてくれた
身だしなみを整え直して
会議室に向かう
ぼんやりと話を聞きながら、先程殴られた場所が痛み出したなーと考える
大きな会社の社長が実の娘に虐待。
そんな見出しが書いてある記事を想像する
大問題になって、父の会社も潰れるだろう
私は父に言われた通りSVT会社の息子と政略結婚をして、父に言われた通り情報を送っている
SVT会社を潰すために
それと同時に私はもっと他のことも行っていた
父の会社の仕事と同時進行をしながら、自分の会社をこっそり作り上げている
父にはまだバレてはいないだろう
私は、SVT会社を潰すことも目的だが、ほかの目的は
父の会社も潰すこと
そのために私は自分の力で会社を作り始めている
誰の力も借りずに












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。