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第1話

* 純白の部屋へようこそ *
 【カラフルルームからの脱出大作戦】という謎解きイベントには、他の謎解きイベントと異なる特徴が二つあった。

 一つは、必ず単独で……つまりは一人で挑むこと。
 そして、もう一つが各色の部屋ごとに初回チャレンジで脱出時間が歴代最短記録を更新出来れば特典が用意されていることだ。

 口コミで広がっていく情報を偶然知った俺・シンジは、壮大な目的を持って参戦を決める。
 そして数ある部屋の一つに標的を絞った俺は、スタッフに促されつつ【純白の部屋】に足を踏み入れた。
スタッフ
スタッフ
こちらが【純白の部屋】になります
 案内された空間のあまりにも非日常過ぎる状態に、思わず呆気にとられてしまう。
 しばし呆然としている隙にスタッフは忽然と消え、一人部屋に閉じ込められていることに気付く。
シンジ
シンジ
…………
 さて、純白の部屋と言えば、聞こえが良い。だが、実際は窓一つないただの密室……。
 飾りもなければ、照明も埋め込み式で天井と一体化し、まさに純白一色に仕立て上げられている。扉の存在さえ解らないほどの純白さはある種の恐怖さえ生じてくるものだ。

 というか、どこから部屋に入ったんだ? 部屋の入り口の境目さえ自然に溶け込む作りとか、最強すぎるだろ……。
 そんなことを思いつつ、部屋の中央に無造作に落ちている課題を拾い上げ目を通す。
課題
課題
この部屋に隠れたキーワードから導き出される答えをこたえよ
課題
課題
川→A 氷→B
課題
課題
では、ABが示すものは何?
シンジ
シンジ
……え、嘘だろ。情報、これだけか?
 この部屋に隠されたキーワードと言われても、先ほど述べた通り窓一つない純白の部屋にヒントらしいヒントなど、見当たるはずもない。
 むしろ、白……がヒントなのか? 白を際立たせるために、何一つない密室を作り上げていた?
シンジ
シンジ
てか、どこで解答を提出するんだ?
 ボタンらしいものも、マイクらしいものも、勿論ポストも何一つ……ない。
 そんな取り留めのないことを考えつつ、課題のプリントをマジマジと眺めている中で一つ気付く。
シンジ
シンジ
あー……、そういうことか
 白がヒントではない。逆なのだ。
 白で密室を際立たせているのだ。その意図さえ理解できれば、謎解きなんて朝飯前ではないだろうか。