第63話

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2025/09/04 09:00 更新
それから───


私たち、少し大人になりました!

私は、高校卒業後、製パンの専門学校に進学。

パン屋のバイトも続けて、オーナーの元で修行中。

専門学校卒業後は社員として登用してもらった。

資格もたくさん取った。

崇裕先輩は大学で経営学を学んだ。

私がパン作りに専念して、お店を切り盛りするのは俺や…って。

そんな彼は、経営コンサルティングの会社に就職。

今でも貪欲に勉強してくれてる。

崇裕先輩が25才、私が23才。

私たちは今でもラブラブです。
はまだ
あなた、待った?
あなた
全然。
崇裕先輩が大学を卒業して半年くらいで、同棲を始めた。

いつも一緒にいるけど、週に1、2回はデートするって決めた。

デートって言っても、散歩の時もあれば、ショッピングモールをブラブラするだけの時もある。

ただ、2人で外に出歩こう…ってこと。

でも、今日のデートは普通じゃない。

…と私は思っている。

崇裕先輩は詰めが甘い。

考えてることが筒抜けだったり…

領収書とか、引換のお客様控え、見えるところにおいてるし…

パン屋の前のカフェでいつも崇裕先輩を待つ。

今日も待ってたんだけど…

明らかに顔が強ばってる。

まぁ、今日何かが起きる。

今日が何の日かわかってるからこそわかる。


え、何の日かって…?

8年前、崇裕先輩の下駄箱に手紙を入れた日。

いや、違う人に入れたんだけど…


とにかく。

私たちの、スタートの日。
はまだ
ほな…行こか?今日、外食したいんやけど、ええ?
あなた
…うん。
はまだ
はい。
差し出された左手。

そっと右手を絡める。
はまだ
…温かい。
あなた
ホットコーヒー飲んでた。崇裕の手は冷たいね。
はまだ
何でやろな。何もしてへんけど。
あなた
わりといつも冷たいかも。
はまだ
そうなん?俺、冷え性か?
あなた
そこまでやないよ。
…たぶん、行き先は桐山先輩のお店。

おしゃれな洋食のお店のシェフ。

何かサプライズするなら、きっと頼みやすいだろうし。
はまだ
あ、照史の店な?
あなた
うん。楽しみ。
…ここまで読み通り。

この先は未知数。

お客様控えが2種類あったのは確か。

でも、見てはいけないと思って詳しくは知らない。

崇裕先輩がどんな事をするのか。

何を用意しているのか。

ドキドキしてきた。

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