次の瞬間、目の前の席に知ってる顔が現れた
そうやってミクはさっきオレに言ったルールを彰人達にも説明した
説明していくうちに彰人達は青ざめていった
手元にある紙を読んだ
どうやら昔やった悪事などが書かれているようだった
こんなものを見ても決まらない、と思っていた
どうやらそれは違ったみたいだ
まず1つ目にページをめくる手が止まったのは彰人のページだった
『東雲彰人は青柳冬弥を殴った』
と書かれていた
見間違いかと思い再度見てみたが、やっぱり書いてある
彰人を追い詰めていく暁山と桃井愛梨の目は氷のように冷たかった
ここにいる全員、生きるのに必死なのが目に見えて分かった
しばらくページをめくっていると、ある1つの文章が目にとまった
『桃井愛梨は花里みのりを虐めていた』
虐めていた?誰に?誰が?花里?桃井愛梨が?花里を虐めていた?なぜ?
頭の中がぐるぐるして、上手く考えることができなかった
今はそれより、あのことを聞かなければ
あぁ、そうだ
覚悟を決めろ、今目の前にいるやつは
花里みのりを虐めたやつだ
どこからともなくマネキンのようなものが出てきて、桃井愛梨を連行していく
床から台座が出てきて、桃井愛梨はマネキンたちによってその台座に手足を固定された状態になった
ミクがハンマーのようなものを持ち、笑いながらそう言った
桃井愛梨の目は、先程までの氷のような目とは打って変わって恐怖に染められた目になっていた
オレと彰人と暁山は、言われるがまま耳を塞いだ
そう言いながら桃井愛梨の右腕目掛けて、ハンマーを振り下ろした
空気を切り裂くような悲鳴が部屋の中でこだまする
塞いでいても完全には遮断できないため、オレ達の耳の中に桃井愛梨の悲鳴が入り込んでくる
そんな悲鳴など聞こえていないかのようにミクは左腕、右足、左足と場所を変えてハンマーを振り下ろしていた
最後に
グシャッ。
と音を立てて、桃井愛梨の悲鳴は完全に聞こえなくなった
永遠に続くような時間が終わった
オレは自分の手を見つめていた
直接手を下していなくても、桃井愛梨を殺したのはオレだ
何も触っていないはずなのに、何故か今だけは自分の手が紅く染まっているように見えた

















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。