第58話

58.
376
2023/10/05 05:39 更新
ララ
ララ
……大丈夫かな…
ルフィ
ルフィ
何が?
ララ
ララ
……あの子
ルフィ
平気だろ
ララ
ララ
……シャル
シャル
なんだ
ララ
ララ
一応、着いてってあげて。心配だから…
シャル
……わかった
ルフィ
お前、心配性だなァ
ララ
ララ
……そうかも
ララは一人で去っていったナミを心配して、シャルをそちらに向かわせた。

何かあった時、彼女を守れるように。

バギーとカバジ以外、バギー玉で倒れて気を失っているバギー海賊団。

一人で行動しても何も問題ないように思える。

それでもララは心配だった。

シャルをナミの元へ向かわせたのは自分の為でもある。

不安な気持ちを落ち着かせるために。

ルフィが言う心配性、という言葉にララは否定出来なかった。
カバジ
俺の最高の曲技を味わうがいい!!
ロロノア・ゾロ!!
ゾロ
………
バギー
………
ゾロとカバジの勝負はまだ終わっていなかった。

カバジは再び一輪車に乗って、どこからともなく取り出したコマを数個、手のひらで回しだす。

一体何をしようとしているのだろうか。

想像がつかない。

ルフィとララは不思議そうにそれを見つめる。
カバジ
曲技っ
〝カミカゼ百コマ劇場〟!!
ゾロ
数えきれないほどの回ったコマがゾロに向かってくる。

脅威ではないが、ほっとくと足元が邪魔だ。
カバジ
〝山登ろー〟
ゾロ
……!
ゾロがコマを刀で弾く。

その隙にカバジは民家の壁を一輪車で漕ぎながら登る。

重力の法則を無視しているようだが、どうなっているのだろうか。

ララは首を傾げる。

そして屋根まで登ったカバジは空高くジャンプした。
カバジ
曲技っ!
〝納涼 打ち上げ花火〟!!
ゾロ
ルフィ
うわっ
高ェ!!
カバジ
〝一輪車刺し〟!!
バギー
………
剣を真下いるゾロに向かって構えるカバジ。

今まで静観していたバギーがすっ、と右腕を伸ばした。

何かしようとしている。

それはララにすぐわかった。

彼女はバギーに気づかれないように、そっと気配を消して動き出す。
バギー
地を這うバラバラ砲——うっ!!
やはりバギーは動き出した。

彼は自分の右手首だけを切り落とし、何かしでかそうとしている。

右手の行く先はゾロの元。

動きを封じるためなのだろう。

卑怯な手法極まりない。
バギー
カバジッ!!
俺がゾロを抑える!!仕留めろ!
カバジ
御意
ゾロ
てめェら!!
バギーの手がどんどんゾロへと近づいていく。

絶体絶命だ。

右手がルフィの横を通り過ぎようとしたその時。

彼はバギーの動くその手を加減なく、踏みつけた。
バギー
ぎぃやああああっ!!
ララ
ララ
——おっと、動かないでね
バギー
バギー
なっ……女ァっ!!
いつの間にかバギーの後ろにまわっていたララ。

風剣を作り出し、剣先を喉元に突きつけている。

ポタポタ、と海水が滴っているのがバギーの視界を捉えた。

悪魔の実の能力者はいずれも海水に触れてしまうと、本来の力を失ってしまう。

普通の人間と何ら変わりない状態に。

剣を向けられても何も脅威を感じなかったバギーだが、このララの握る海水が滴った風剣を前に彼の動きは止まる。

プリ小説オーディオドラマ