ララは一人で去っていったナミを心配して、シャルをそちらに向かわせた。
何かあった時、彼女を守れるように。
バギーとカバジ以外、バギー玉で倒れて気を失っているバギー海賊団。
一人で行動しても何も問題ないように思える。
それでもララは心配だった。
シャルをナミの元へ向かわせたのは自分の為でもある。
不安な気持ちを落ち着かせるために。
ルフィが言う心配性、という言葉にララは否定出来なかった。
ゾロとカバジの勝負はまだ終わっていなかった。
カバジは再び一輪車に乗って、どこからともなく取り出したコマを数個、手のひらで回しだす。
一体何をしようとしているのだろうか。
想像がつかない。
ルフィとララは不思議そうにそれを見つめる。
数えきれないほどの回ったコマがゾロに向かってくる。
脅威ではないが、ほっとくと足元が邪魔だ。
ゾロがコマを刀で弾く。
その隙にカバジは民家の壁を一輪車で漕ぎながら登る。
重力の法則を無視しているようだが、どうなっているのだろうか。
ララは首を傾げる。
そして屋根まで登ったカバジは空高くジャンプした。
剣を真下いるゾロに向かって構えるカバジ。
今まで静観していたバギーがすっ、と右腕を伸ばした。
何かしようとしている。
それはララにすぐわかった。
彼女はバギーに気づかれないように、そっと気配を消して動き出す。
やはりバギーは動き出した。
彼は自分の右手首だけを切り落とし、何かしでかそうとしている。
右手の行く先はゾロの元。
動きを封じるためなのだろう。
卑怯な手法極まりない。
バギーの手がどんどんゾロへと近づいていく。
絶体絶命だ。
右手がルフィの横を通り過ぎようとしたその時。
彼はバギーの動くその手を加減なく、踏みつけた。
いつの間にかバギーの後ろにまわっていたララ。
風剣を作り出し、剣先を喉元に突きつけている。
ポタポタ、と海水が滴っているのがバギーの視界を捉えた。
悪魔の実の能力者はいずれも海水に触れてしまうと、本来の力を失ってしまう。
普通の人間と何ら変わりない状態に。
剣を向けられても何も脅威を感じなかったバギーだが、このララの握る海水が滴った風剣を前に彼の動きは止まる。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。