退院後、初めての学校だ。
俺は会う人会う人に「大丈夫か?」と聞かれ、心配してくれて嬉しい気持ちとは裏腹に、だんだん腹が立ってくる。
入院はしたし、サッカーができなくなる程の怪我ではあったが、たいして痛くはなかった。
昼休みになり、暖かい日差しが差し込む教室で、俺は机に突っ伏して考えていた。
すると、俺を呼ぶ声が聞こえる。
声がした方を向くと、
サッカー部の、黒羽麻璃央、荒牧慶彦、鈴木拡樹、だ。
俺は机に突っ伏したまま、適当に返事をした。
俺は麻璃央の声を最後まで聞かずに言った。
そこでふと思う。あれ?
この学校のサッカー部はみんな顔がいい。
話しかけられた女子は他の女子から羨ましがられる。
歩いてるだけでギャーギャー言われて学校のスターだ。
俺がいなくたってサッカー部はこれからもちゃんと機能していくんだろう。
俺はゆっくり窓の外へ目をやった。
















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!