久しぶりに見た光景に胸が躍る
急に無一郎さんは笑い出した
私は耳をうさぎ、無一郎さんを軽く睨む
褒められるのにはなれないけど、されて嫌なんて気持ちは1ミリもない
むしろむず痒いぐらい嬉しい
なんて言ったら酷くなりそうだから言わないけど
射的なんて懐かしい
あの時は私が撃ち方わからなくて、無一郎さんが背後から教えてくれてすごくドキドキして
そしたらすごく高いブレスレットが落ちて
それと同時に無一郎さんは猫のぬいぐるみをくれた
それは今も大切に持ってる
無一郎さんは大きく目を見開いたかと思えばら、ふわりと優しく笑って手を差し伸べてくれた
なんか燃えてるのは気の所為ですか…?笑笑
百発百中で根こそぎ景品をとる無一郎さんを強制ストップ
いやとらなくていいんですってばっ!!
なんて呑気なこと言いながらまたバンバン打ち出した
ど、どうしよう…どうしたら無一郎さんを止められるのかな…
人前でやるのは気が引けるけどや、やるしかないっ……!
)チュッ
恥ずかしすぎて早く世界から消えたい
無一郎さんの手首を掴んで歩き出すと、無一郎さんの手は熱かというほどの熱さを持っていた
顔を見れない
こんな恥ずかしい顔見せたくない
キスを人のせいにする私のほうがよっぽど悪い
でも今はそんなことどうでもよかった
私がそっぽを向くと、後ろから嗚咽が聞こえた
少し心配になって後ろを振り向くと、そこには一筋の涙を流してこちらを見つめる無一郎さんがいた
私が本気で心配してそばに駆け寄ると、私をぎゅっと抱きしめた
その声はどこなさみしげで、でも嬉しそうで…
なんとも言えない複雑な感情だと思った
私も照れながら、無一郎さんをそっと優しく抱きしめ返した














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。