第7話

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2025/10/08 08:26 更新
jp
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ゆっくり歩くから、のんびりついておいで
jp
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のあさ〜ん、こんにちは!
佐久間さんは私を連れて、『桃屋食堂』という小さな看板の出ている古民家のような建物に入った
戸口ののれんをくぐって佐久間さんが中に声をかけると、二十代くらいのお姉さんが奥から出てくる
うわ、この人も変な服、と私は目を丸くした
着物の上に白い割烹着
古いドラマに出てくるお母さんの格好だ
見回してみると、店の中も質素というか、古びているというか……
呆然としながら観察していると、佐久間さんが私の背中を押した
jp
jp
この子、あなたの下の名前っていうそうなんだけど、そこの通りで暑さにやられて倒れていたんだ。少し休ませてあげてくれる?
no
no
ええ!大丈夫ですか?
のあさん、と呼ばれた割烹着のお姉さんは、慌てた様子で私に駆け寄ってきた
no
no
この暑さですもんね、まったく参っちゃいますよね
そう言いながら私を座敷に座らせ、湯呑みに入った水を出してくれた
ぺこりと頭を下げて受け取る
ありがたい、と思って口をつけたものの、予想外のぬるさに一瞬動きが止まってしまった
室温とほとんど変わらない、生ぬるい水
なんで氷を入れてくれないんだろう、と思ってしまう
でも、助けてもらった立場で文句なんて言えない
私は黙って飲み干した
そういえば、さっきは具合が悪すぎてあまり気にならなかったけど、佐久間さんがくれた水筒の水も、今思えばかなりぬるかった
それにしても、食堂だと言うのに、暑い
直射日光が当たらない分、外よりはマシだけれど、むっとした熱気がこもってる
クーラーつけないのかな、と思って首を巡らせると、天井にも壁にもエアコンは設置されていなかった
嘘、と口には出さずに驚く
今どき、エアコンがない店なんて、信じられない
せめて扇風機、と視線を走らせる
私が腰かけている座敷の端っこに一台の扇風機を見つけた
ずいぶん年季の入った、古くさい形
なぜか羽根は金属製だ
それに、埃をかぶっているように見える
no
no
あ、扇風機ですか?
のあさんが私の視線に気づいたのか、眉を上げて声をかけてきた
no
no
ごめんなさい、暑いですよね。でも、あの扇風機、ずいぶん前に壊れてしまって。今はもう使えないんです
あなた
あ、いえ、そんな
no
no
これでよかったら使ってください
私が顔の前で手を振っていると、のあさんはやけにレトロな絵柄のうちわを持ってきてくれた
jp
jp
俺があおぐよ
佐久間さんがのあさんからうちわを受け取り、ぱたぱたとあおいでくれる
あなた
えっ、ありがとうございます……
ふんわりと柔らかい風が、火照った頬や首を冷ましてくれた
no
no
まったくですね、家庭用の扇風機が作られなくなって、もう何年でしたっけ
のあさんが世間話のような調子で何気なくそう言った
私はのあさんからもらったおしぼりで顔を拭きながら、ふと変に思う
家庭用の扇風機が作られなくなった?いつの間に?そういえば、うちだって十年以上前の扇風機を使っているけれど……
もしかして、最近はどこの家もエアコンばっかりで、扇風機なんてなかなか売れないから、製造中止になったとか?
怪訝に思っている私をよそに、佐久間さんはのあさんの言葉に大きく頷いてる
jp
jp
たしか、もう三、四年になるよね
no
no
そんなになるんですね…うちの扇風機は一昨年壊れたので、新しいのはもう手に入らなかったんですよ。お客さんに暑い思いをさせるのは忍びないんですけどね…
jp
jp
今は何事も軍需生産最優先だからね、仕方ないよ
……グンジュセイサン?耳慣れない言葉を口にした佐久間さんにちらりと視線を送る
佐久間さんはにっこりと笑い、私とのあさんを交互に見た
jp
jp
でも、心配することはないよ。しばらくしたら、この戦争も終わる
今回はここまで!!
長かったですね……きる場所が分からなくて…(;´Д`)
それでは次回お会いしましょう〜!!
おつゆか〜!!👋

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