第13話

第11話 奈落 - 終焉の覇者
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2026/04/21 05:48 更新
奈落が、静まり返っている。

さっきまでそこにいたはずの圧が、嘘みたいに消えていた。

九人は起き上がれないまま、少女を見ている。

毛先にかけて白い青色の長い髪、陶器のように白い肌。

小柄で、細い体。

なのに



奈落そのものより、強い気配。

少女はゆっくり近づいてきた。

渡辺が反射的に身構える。
あなた
…敵じゃないよ
あなた
助けたし

少女は小さく笑った。

深澤が息を吐き、つぶやく
深澤辰哉
たしかに


少女は九人を順番に見る。

一人ずつ、観察するみたいに。
あなた
人族だよね、なんでこんなところに?

阿部が、掠れた声で答える
阿部亮平
俺たち、パーティを追放されて…ダンジョンの中にあった転送陣でとばされたんです
あなた
転送陣?まだ、あったんだ

少女は目を丸くして驚いていた。
ラウール
あの、あなたは…

ラウールの問いかけに、少女は少し考えてから答えた
あなた
星空あなた

その名前が、妙に重く響いた。

岩本が問う。
岩本照
なんで、こんな所に…

あなたは奈落の奥を見て答えた。
あなた
ずっと、いるよ

全員が固まる

あなた
ここで、狩ってる

さらっと言うあなたに阿部が問う。
阿部亮平
……どれくらい
あなたは、少し首をかしげる
あなた
覚えてない。たぶん、数百年?


意味が分からない。

人族の寿命を超えている。

阿部が震える声で言う。
阿部亮平
Lv……いくつですか

朱莉は、少しだけ困った顔をした。
あなた
覚えてないなぁ。最後に見たのだいぶ前なの


そう言いながら、朱莉はステータスを表示した。



"Lv10000"



全員、言葉を失う。

ありえない。

人族の上限は100。

その常識が、音を立てて崩れる。

そんな中阿部だけが、違う顔をしていた。

理解してしまった顔。
阿部亮平
…身体を、魔力に適応させたんですね


9人は一斉に阿部を見る。

朱莉が初めて、はっきり阿部を見る。
あなた
…わかるの?
阿部亮平
理屈だけなら…
あなた
あなた、面白いね

あなたは少し嬉しそうに笑った
深澤辰哉
化け物が2人になった…

あなた は九人を見渡す。
あなた
ねぇ

その目が、ほんの少しだけ冷たくなった
あなた
人族、嫌い?

質問の意味が分からない。

しばしの沈黙の後、最初に口を開いたのは岩本だった。
岩本照
嫌いじゃない
あなた
そっか、ほかの種族は?



また、静寂が訪れる。

誰も答えられない。

あなたは、遠くを見る。
あなた
私は、嫌い


声に感情がない。

ただ、事実を言ってるいるだけ。
あなた
ここに、落とされたから
Snow Nine
!?


奈落の空気が重くなる
あなた
弱いって理由だけで、捨てられたの

九人の胸に、同じ記憶が蘇る。

あなたは微笑む。

優しいのに、どこか壊れている笑み。
あなた
だから、私は強くなった
あなた
いつか、全部、踏み潰すために

静かに、でも確かな強さを持って言う。

誰も、否定できない。
あなたは9人を見て言った。
あなた
あなたたち、生きたいんでしょ?
岩本照
生きたい

9人は頷く。

あなたは、満足そうに頷きに手を差しだした。
あなた
じゃあ、一緒に来て


その言葉が、奈落で初めての"道"になった


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