ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
マスside
今日は、アイツとデートだ。
実際、予定の30分前に来るわめっちゃオシャレしてくるわという浮かれぶりだ。だって楽しみなんだもん。どうせアイツはいつものダッサイパーカーで来るんだろうけど。
とりあえずスマホで時間潰してよ。
ーーー15分後ーーーー
そりゃあそっか。
アイツ待ち合わせ時間ピッタリに来るか
それよりも遅いかだもんな。
完全にやらかした。
なんでアイツが5分前くらいに
来るなんて思ったんだろ。馬鹿みたい。
いや手を出されただけじゃ分かんねぇよ。
そう言ってちゃんと恋人繋ぎで俺と手を繋いだ。
コイツが手を繋ぐというデレを
するとは思わなかった。
あっ待って。手繋ぐの何気に初めてじゃね?
んー。意識し出したら謎の熱?らしきものに
襲われた。凄い顔が火照っている気がする
ケチャがゆっくりと手を引く。
それに合わせて俺もゆっくりと歩き出す。
前までは並んで歩くくらいだったけど、
こんなに近くでコイツを感じられるとは
思いもしなかったな。
心無しか、ケチャの手がとっても暖かい。
こういう他愛もない時間が1番好きだ。
今はあのピンクの木がそれほど
綺麗なものに見えない。
ただ隣で自然な笑顔を作るケチャの方が
よっぽど綺麗だ。
そしてケチャは俺の手から離れて、
あの木へ歩みを進める。
離された俺の手がだらんとぶら下がる。
眩しい程の笑顔を俺に向けあの木の周りを歩く。
その笑顔が1番大好きだ。
興奮した顔で熱のこもった声で俺の名前を呼ぶ。
アイツ。実はあんまり俺の名前を呼ばない。
こうゆう時ぐらいしか呼んでくれないから、
その興奮がこっちまで伝わる。
ケチャに言われた通り少し顔を上げると、
美しいピンクの木がでっかくそびえ立っている。
見慣れた金の花よりも
もっと美しくもっと優美で美しかった。
コイツが見せたいって思った理由が分かった気がする。
快活に笑うケチャはとても綺麗だ。
桜に負けないぐらい、とても光り輝いている。
まるで天使じゃねぇか。
天使だなーって見とれてたら、弱い風が吹いてきた。
桜の花びらがぶわっと舞い上がり、
ケチャの後ろに羽が出来たように見える。
思ったことがすんなり口に出て
内心結構びっくりしている。
コイツも頭に疑問符が、
浮かんでいるかのようにぽかんと口を開ける。
ケチャが真っ直ぐにそう伝えて来て、困った。
だってこんなにも優しく愛おしそうに俺に伝えるんだ。
とてつもなく恥ずかしい。ケチャに見られる前にそっぽを向いた。
ケチャは俺の前に立っていつもは見られないようなとびっきりの笑顔で、俺に手を差し伸べる。
今度こそはわかったぜ。
コイツの手を離さないようにしっかりと握る。
どんなことがあっても離さないように。
コイツを絶対手放さないように。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。