かつて、魔法少女は活動が盛んだった。
毎日のように敵が湧いて、毎日のように敵を倒す。
私も、その一員だった。
そしてある日、
強い、強い敵が現れた。
この国でいちばん強いと言われている魔法少女ですらかなわなかった。
でも、とある魔法少女が敵を倒した。
…私のクラスメイトだ。
私よりも後に魔法少女になったのに、どんどん討伐ランクが上がっていった。
そんな彼女は、その強い敵を前に、姿が変わった。
いつものような濃い桃色の衣装から、
まるでウエディングドレスのような純白に包まれていた。
それが、「女神」だ。
魔法少女の中で1000年に一度、
「女神」は現れると、言い伝えられていた。
私は、そんな女神に憧れていた。
あわよくば女神になりたかった。
だからここまで努力してきたのに。
妬ましい。
妬ましい。
現在は、敵の目撃回数がほぼ無くなり、
たくさんの魔法少女が普段の生活へ戻っていった。
しかし、私はまだ女神になることを諦めたくなかった。
だから、
だから、憎い。
あいつが。あいつさえ居なければ、私はまだ可能性があったと言うのに。
憎い。
憎い
にくい
なら、私がやつを倒そう。
気がついた時。
私が愛用していた魔法のステッキに埋め込まれた魔法石は
赤黒く、闇に包まれていた。
禁忌を犯してでも、あいつを倒したい。
倒さなければならない。
私はやつを倒して、私こそが、女神になるのだ。
純白じゃない、黒い女神になってやろう。
私は悪に染まりきった笑いを堪えられなかった。
さぁ、まずは何をしようか。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!