猗窩座side
あなたが苦しそうに笑っていた
何がそんなに悲しいんだ...?
ついに...力尽きるように意識を手放した...
なんだ...どうすれば良かったんだ...
全員で見る事になった...
あの落ち着きがある無惨様でさえ
慌てふためいていた...
全員で見るとは言っても満場一致で
俺の上に乗せ見る事に...
なぁ、どうしたんだよ...あなた...
俺の技を見て倒れただろ?何が問題だったんだ?
は?『はく...く』?
なんの事だ?はく...吐く?
履く?...訳が分からないんだが...
狛治...誰の事だろうか...
無惨様や黒死牟、妓夫太郎の言う通り
そんな名前の奴は居ない
あなた...教えてくれ...その名前、男なんだろう?
不安になる...早く起きて、俺だけを
愛してると言ってほしい...
そしたら、その名前の奴より俺がお前を愛すから...
それはあり得る...最初は戦いが終わった後で
あの時は大泣きしてたんだよな...
俺が起き上がるだけで『わんわん』泣いて...
一時も離れる事は無く
抱き締めてたっけな...(笑)
あなたの夢は、現実なんだと知ったあの日は
うなされるあなたを俺が抱き締めてたら
血まみれになったんだ...本当にあの時は驚いた...
でもあなたは嬉しそうに、『男の子を守った』
と言っていた...その男が狛治...か?
恋愛対象...じゃないよな...?
俺はあなたを『ぎゅっ』と抱き締める
温かい...なのに...この温もりだけでは不安なんだ...
あなた...起きたら...
俺にお前のありったけの愛をよこせ...
そしたら俺もありったけの愛を返す
な?良いだろ?お前に出会って...恋を知ってから...
お前がほしくてたまらない...
もっと...もっと...と欲が止まらなくて...
でも、がっついて怖がらせたくなくて
キス以外は、してこなかった...
他の男の名前が出たとたん
抱きたくて、たまらなくなるだろ...
完全に俺のものに出来たならって考える
強く優しく抱き締めた...不安な気持ち...
心配な気持ち...取られまいと焦る気持ち...
全てを落ち着かせたい...あなたの首辺りに
顔を埋めればあなたの匂いが...
あなたの温もりが、俺を癒し落ち着かせる...
何も心配なんてない、取られるなんて事も無い
あなたは今...俺の腕の中だ...
夢が現実でも夢は夢...そう自分に言い聞かせた...
我妻があなたの背に耳を当てる...
こいつの耳は感情をも読み取れるらしい
正直...俺では分からないから助かる
あなたがモゾモゾと動き出す
俺の胸に顔を埋めて...少し悲しそうな...
困ったような顔をして...目を覚ました...
でも...心配かけないようにって
お前は無理して笑うんだ...
素直に泣けば良いじゃないか!
苦しい時、辛い時、甘えれば良いじゃないか!
そんなに俺は頼りないのか?
みんなが『ポカン』とする...そりゃそうだ...
起きたかと思えば、訳の分からない話しをする
それに俺が誰に似てる?その誰かは俺?
何で俺の昔の話しを?
それに何でまた泣きそうな顔を...
あなたは俺を見つめる...
唐突な質問にうろたえる...
あなたはどうして、よそよそしい?
何故そんな分かりきった事を聞くんだ?
いや待ってくれ!嬉しい割には喜んでないぞ!?
この質疑応答に何の意味があると言うんだ?
あなたは俺から離れ、もう1度俺を見つめる
相手は一緒だと思うんだが...
多重人格でもあるまいし
あなたはどうしたんだろうか...
だから、なぜ当たり前の事を聞くんだ?
あなたには...誰が見えているんだ?
俺を通しで誰を見ているんだよ...
は?本当の名前?
人間の頃の名前を知っているのか?
あなたはポケットに手を入れ、何かを探っていた...
そのポケットに何があるんだ?
俺に握らせてきたのは、雪の結晶が付いた髪飾り...
何だ...これ...
小雪?小雪...さっぱり分からん...
いったい誰の事なんだ?
横を見ると小さな女が手を掴んでいた
誰...なんだ...
女はあなたを見て笑っていた
まるで話しが通じているように...
するとあなたが俺に近づく...
抱き締められて、とても温かい...幸せだ...
何...だ...この映像...俺...なのか?
親父らしき男と、俺っぽい小さな男...
刑罰...か?ムチ叩き...斬りつけ...ん?あれは...
あなた?...だからあの日、傷がすごくて
アイツを守ったって事か...
あなたが俺らしき男を連れて家に走っている
だけど親父らしき男は首を吊っていて
死んでいた...悔しそうに泣く俺らしき男
それを悲しそうに抱き締めるあなた
沢山の大人相手に俺らしき男は
やみくもに殴り蹴っている
あなたが男を連れて、俺らしき男を助けて...
~全ての記憶を見せた~
(作者の手抜き)
後の記憶に関して説明はいらないでしょう...
もう全てを見せたんですから...
俺は...小雪を愛して...でも!
あなたの事だって愛している!俺は...どうしたら...
俺には全く声が聞こえないが
あなたには聞こえているらしい...
俺は自分の頭を破壊した...
あなた...本当にすまない...
勝手な男を許してほしい...来世は...
来世こそはお前と一緒に...


























編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!