第8話

⑥🐧
554
2022/03/07 12:50
「ただいま」


そう家に帰ってきたはいいものの家はなんだか暗い雰囲気だった。


「おかえりなさい。」


ボムキュさんが何かを知っているような目で僕を見てくる。


「おかえり。ヒュニン。あ、スビニヒョンも一緒だったんですね。」


「はは…偶然途中であったので…。」



スビニヒョンと話して少し状況は良くなったように見えたけど、それは僕だけだったみたいだ。


ヨンジュンさんと早く話したい。


たとえ答えがNoだったとしても早く僕の気持ちを素直に伝えたい。


そう思ってキョロキョロと周りを見てみるが、リビングにも寝室にも見当たらない。


「あの…ヨンジュニヒョンは…」


「あ……さっき僕に※カトクが来たんだけど…これ」


※カトク(kakaotalk)…韓国で有名なメッセージアプリ


ボムキュさんの画面にはヨンジュ二ヒョンからの


「今日は帰らない」


の文字が送られてあった。


「そんな…」


僕は血の気が引いた。


急いで上着を着て玄関に向かった。


スビニヒョンが抑えるのを振り払って慌てて外に飛び出す。


はあ…はあ…


夜の寒さが走る度に当たる。


ヨンジュニヒョンが帰らないなんて初めてで怖くてたまらなかった。


僕のせいで自殺するかもしれない。


もしかしたらさらわれる可能性だってある。


そんな冷静に考えたら起こらないような考えがこの瞬間は沢山頭をよぎって、不安で不安で仕方なかった。


会社、コンビニ、ジム、ヨンジュニヒョンと最後に喋ったモッシドンナ。


ヨンジュニヒョンが居そうな場所を手当り次第探した。


必死にさがしたけど


ヨンジュニヒョンはどこにもいなかった。



明日になったらヨンジュニヒョンは帰ってくるのかな…


僕達無理なのかな…



もう時間は11時を回っていた。


諦め半分、商店街を探していた時、ヨンジュニヒョンのような男がもう1人の知らない男とホテルに向かうのが見えた。


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