fwside
幼少期の頃から、全てに関して
興味を持てなかった。
趣味も、仲のいい友人も、
必要だと思わなかった。
作ろうとも思わなかった。
あなたと初めて会ったのは、
あなたが隣の家に引っ越してきて、
その挨拶回りをしにうちに来た時。
物語に出てきそうな文言で
自己紹介をした彼女は、
ゆっくりと口角を上げ、
花のような笑みを浮かべて、
こちらに小さな手を差し出してきた。
幼いながらに、彼女に向けて偽りの
笑みを浮かべたのを覚えている。
正直なところ、隣に同い年の子が
来たことなどどうでもよかった。
一刻も早くこの立ち話を切り上げ、
家に入りたいと思っていた。
関わるつもりなんて更々なかった。
だが、親が何かと仲良くなり、
偶然、小、中、高が同じ所だった。
一緒にいる長さ的には幼馴染と呼べる
関係だが、特に話すことはなく、
それ以上もそれ以下も無い。
たまたま会った時に軽く話す程度で、
必要のない肩書きだけが一人歩きしている。
今も昔も変わらない、
臆病で怖がりの幼馴染、
____のはずだった。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!