ふとあの日を思い出すの。
なぜだか暖かかった。
雪の花びらが頬に落ちるそんな日なのに。
軽く口角の上がった彼女の顔が私の頬を掠めた。
その瞬間が私は今も忘れられない。
ほんとにほんとに美しい夜だった。
あの日のあなたを未だに覚えている。
私の手を引っ張りながら、子供のようにはしゃぐあなたも。
寒さでほんのり赤く染まった顔で笑うあなたも。
そう優しく抱きしめてくれた腕も、、、
積極的なあなたの照れた顔も、、、
まるで時間を取り戻すように彼女との思い出に浸った。
あの日のように私を探しに来て、満面の笑みで迎えに来て、強く抱きしめてほしい。
あぁ〜夢のようなクリスマスだった。
でも夢みたいに目覚めた瞬間忘れてしまうようなものじゃない。
ちゃんと全部、脳裏で一年中私の中を巡ってる、覚えてる。
あなたが残した、この胸のときめきも、甘い囁きも、、、
ギュッと握られた手、たしかにあなたがいたクリスマスだった。
永遠のように感じた。
懐かしい一年前のクリスマス。
暖かい手で、私の凍りついた心を溶かしてくれた、
昨日のように感じるあの日から私は動けないまま、そこに立ち尽くしてる。
また訪れた季節があなたを迎え入れて、一緒に迎えに来てほしい。
あなたのせいでうるさいこの心臓もろとも。
間違いなく”友達のあなた”がいたクリスマスだった。
説明しがたいほど幸せで泣きそうなほど苦しいあの日。
切実なこの想いをあなたに伝えるの。
あなたが照れながら頷いてくれるのを、、、
真っ赤に染まるであろう頬の熱さを幸せに感じられるのを、、、
祈ってる。
自然と繋がれるあくまでも友達としての手。
街に光る装飾たちが今日はあの特別な日だと知らせてくる。
鳴り響く音楽。
I pray on this Christmas.
このクリスマスに祈るよ。
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「This Christmas」Taeyeon
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。