オレは、RAD WEEKEND を超えるために、
血の滲むような努力をしてきた。
だが、何度も打ち負かされて、
その壁のデカさに打ちのめされていた。
どうしろってんだよ……!
相棒の冬弥は、もっともっと先を行ってる…!
そこには、髪の長い女性がいた。
オレは、急に話しかけてきたその女に当たった。
頭に血がのぼって、腹が立っていたから。
猫を被ることも忘れていた。
普通はこんな挑発にはノらない。
しかも……、たかだか中学生に……、
だが、オレの中の何かが切れた。
息を吸った直後、そこにいたはずの中学生は、
いなくなっていた。
嘘だろ………。
オレは……、オレの努力は、何処に行ったんだというほど、
そこに居るのは、デカいものだった。
オレは、何処で間違えた……?
いや…、間違いしかない。
ずっと、こんな実力しかないのに、歌い続けて、、、
目の前の少女は、オレにマイクを差し出した。
あぁ、逃げてぇよ、
オレの今までの時間は何だったんだ。
オレには、無理だって……、
オレは、その目の前の少女の圧に負け、
マイクを取った。
あぁ、ここから逃げ出したい。
オレには、無理だったんだ。
もう、いっそ辞めちまおうか、、、
こんなん……、オレの求めるものじゃない……。
真っ直ぐな瞳だった。
超えれるのか、?
こんな歌で……、こんな実力で………、
負けてもいい…!
今、負けてもオレは努力して、いつか、
RAD WEEKEND を、超えるんだ…!!
オレ達が…!
この出来事から1年後、
オレ達は、RAD WEEKEND を超えた。
その会場には、あの時の少女がいた。
嬉しそうな顔をしてた。
目の前にいたはずの少女は、いなくなっていた。
オレは、訳が分からなかった。
これは、彼が最底辺から駆け上がった物語。
その言葉を最後に彼女は光へと消えていった。
解説
あなたの下の名前は、小さい頃に亡くなった彰人の幼なじみで、
ずっと彰人を見守っていた。
夢に向かっている途中、挫折しかけた彰人を見て、
彰人が潰れてしまわないように、
助言とともに彰人にだけ見えるように、
姿を現した。
そして、一つ夢を叶えた彰人を見た時、
タイムリミットになり、
「世界を獲る」夢は見られなかったものの、
その夢を応援しながら、完全に成仏してしまった。
彰人は、幼すぎて、あなたの下の名前のことは全く覚えていなかった。
だが、見覚えは微かにあった。
そして、疑問が残ったまま、あなたの下の名前は消えてしまった。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!