狛治がうちに来てから一年も経った頃 .
狛治も強くなってきただろう 、
という師範の考えで
狛治と組手をする事になった .
結果 、 関節固めて私の勝ち .
どの方向に骨を曲げたら痛いのか私は知っている .
男性より力がなくて襲われた時危ないから 、
技術も大事だけど知識を身につけてみろと
師範に言われたからだ .
熱くなっている私たちに声をかけ
休憩を進める師範 .
言うことを聞き狛治と師範は井戸へ .
私は恋雪の状態を見ようと部屋に向かった .
そろそろ薬の時間だから飲ませないとな …
と思いながら障子越しに声をかける .
返事は無い . 何度かけても咳のひとつすら
全く聞こえない . 不安になって開けると
そこはもぬけの殻だった .
長くの間 、 三人で恋雪を探しまくった .
病弱な体だ 、 そう遠くまではいけない .
思った通り 、 意外とすぐに見つかった .
狛治が先に見つけていたらしく
喘息の発作で苦しんでいた恋雪と一緒にいた .
周辺に住んでいる人によると 、
隣の道場の跡取り息子が無理矢理恋雪さんを
連れ出していたらしい .
狛治が早く見つけていなかったら
大変な事になっていた .
死んでいたかもしれない .
師範が怒っているのは珍しい .
私が最初ここに来て暴れ回った時 、
障子を三つ破っても怒らなかったのに .
怒りでどうにかなりそうだった .
恋雪は今安全な医者のところにいるので
心置きなく戦えるのだが 、
感情のままになると動きが単調になってしまう .
瞑想をしたり深呼吸をしたりと
自分自身を落ち着かせていると
狛治が声をかけてきた .
とにかく今は勝つこと意外考えられなかった .















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!