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第8話

彼が見えていること
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2025/01/27 12:32 更新
ーにっかり青江の自室にてー
にっかり青江
にっかり青江
やあやあ
先程は無理やり連れ出してすまなかったねぇ
今先程遠征から帰ってきて
一悶着起こし、鶯丸をあの場から連れ出したにっかり青江はそう切り出す
にっかり青江
にっかり青江
あの場には五虎退くんがいたし
君も冷静じゃなかった
判断を誤ってしまった。済まない
未だに混乱しながらも
睨みを効かせている鶯丸に
優しく、脅かさないようにゆったりと謝罪を述べる
鶯
お前は一体全体何をしたいんだ
俺をここまで誘って何をするつもりだ
しかし思い届かず
鶯丸は依然ど誤解゙している
にっかり青江
にっかり青江
んー…本当にこればっかりはすまなかった
時と場所に配慮して話すべきだったね…
にっかり青江
にっかり青江
とりあえず
僕は君の敵じゃないし
君を害すつもりもない
にっかり青江
にっかり青江
どちらかと言うと味方側…だと思ってもいい
にっかり青江
にっかり青江
君は主の縁者だろ?
鶯
…ッ
にっかり青江の語りは
赤子を優しく諭しあやすような心地がする
それほど琴線に慎重に触れている

それでも
その真綿にくるまれた言の葉は
鶯丸…゙鶯花゙の心臓を鷲掴む程の威力を有していた
鶯
何故…?何故…?
お前はにっかり青江
ただのにっかり青江だろう…?
鶯
何故そこまで俺を…
俺が見られるんだ…?!
不安のあまり声が震える

にっかり青江は
八の字に下がっている眉をもっと下げ
憐れんでいるかのように囁く
にっかり青江
にっかり青江
さぁ…?
僕も知りたいんだ
僕の力のことだよ…?
この目はよーく見なくとも見えてしまって
困っているんだ
にっかり青江
にっかり青江
君…元は人間だろう…?
魂の揺らぎが僕らのそれとは違う
しかも付喪神となるはずのものだった器に
馴染んでいるから余計歪に見える
にっかり青江
にっかり青江
僕みたいに目が良かったり
神剣の類に近い刀剣はおそらく
細かいことまでは分からなくとも
君が純粋なものでは無いと
一発でわかってしまうよ
鶯
…ちなみにどこまで見えてるんだ
その目は…
まさかの分霊に見破られると思っていなかったものの
にっかり青江という比較的静かに事を済ませようとする刀剣に当たって良かったなと反面考えてしまう
しかしそれとは別に
確認したいことが頭より先に口から盛れ出ていた

あまりにもありふれた疑問
青江は笑みをやや弱めながら
控えめに左に視線を向ける
細く長く不気味に映る白手袋をはめた右手を顎に沿わせながらゆっくり視線を戻し口をねっとりと開く
にっかり青江
にっかり青江
君の生命を握れるくらいには
鶯
ハハハッ…
勘弁してくれ…
青江に隠し事はできなさそうなのは確定であった

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