(ルミア視点)
私、ルミアは、ごく普通の女子中学生だと思う。
朝はうるさい目覚ましで起きて、顔をあらってパンをくわえて、遅刻ギリギリで家を出る。
学校では授業を受けて、ノートを取って、たまにBLの落書きがバレて注意されて。
友達とくだらない話で笑って、将来の事なんて深く考えずに生きている。
刺激はないし、たまにちょっと退屈になるけど、多分これが『普通』だ。
その日も、ここまでは特別な事は何も無かった。
放課後に寄り道をして、友達と別れたら母の作った夕飯を食べて、お風呂に入って、布団に潜り込む。
スマホを眺めながら、明日の予定を考えては面倒だなぁと考えて。
やがて瞼が重くなる。
誰に言うでもなく、そう呟いて、目を閉じた。
次に目を明けた瞬間、違和感が全身を襲った。
まず、暗い。
でも夜じゃない、
薄暗いのに、空は明るい。
背中が、固い
布団じゃない、ベットでもない。
私はゆっくりと起き上がる
そこは、知らない場所だった。
一瞬、頭がおかしくなったのかとおもった
見たことのない景色。
でも、どこか現実的で、妙に生活感がある
立ち上がる。歩く。
地面の感触が、靴底越しにちゃんと足に伝わる
そこは、汚い路上裏だった。
古い建物に挟まれた細い道。昼なのか夕方なのか分からない、くすんだ空。
試しに太ももをつまんでみる
夢だ…!
これは絶対に夢だ。だって私はさっきまで布団の中に居たし
私は直ぐに納得した。
と言うか、深く考えない事にした
だってこれは夢に決まっている
私は普通の人生に飽き飽きしていた。
もっと騒いで、頭のおかしい発言をして、楽しく生きたかった。
でも普通にそんな事したら周りに引かれるし、何より私が恥ずかしさで死んでしまう。
そんな私にとって、このリアルな夢は迷惑し放題の天国だったのだ
私は路上裏を抜け、大通りに出た。
そこには、人が居た。
歩いている、話している、スマホを見ている。
でも、どこか空気が違う。
見慣れた筈の街なのに、微妙にズレている。
(スライム居るかな?)
ワクワクが止まらない
私は、近くを歩いていた1人の青年に駆け寄った。
ジャラジャラした派手な服をだらしなく着ていて、目は真っ黒なサングラスをかけ、表情が全く分からない。
普通は怖く思われる見た目だが、夢の中に居る私には怖いもの知らずだった。
青年は驚いた様に足を止めた
勢いよく聞く
青年は、そんな様子のおかしい少女を見つめ沈黙した後、静かに口を開いた
見た目の割に変な喋り方をする青年に、
私は即答した
青年の表情が、一瞬だけ固まった
その時だった。
頭が痛くなるような、大きな怒声と悲鳴の入り交じった声が響く。
少し離れた場所で、体格の大きい二人の男性が殴り合いをしていた
胸ぐらを掴み合い、両方痣だらけになっている
青年が止めに行こうとするより、
先に私がその方向へ向かった
(夢ってこうゆうのあるよね!)
迷わずその場から走り出した。止めに来る人の声など、全く耳に入らなかった
↑※???が「???」って喋ってるのなにこれ
この異常な光景に、周りがざわつく。
周りに人が集まり始めたのだ
その時、人混みの中から響く、確かなサイレンが聞こえ始めた
直ぐ近くの道路に、パトカーが止まる。
バタンとドアが開いた
警察が捕まえたのは、
ルミアの方であった…













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!