猿飛ヒルゼンの葬式が終わった。
無意識にふらふらと歩いていたら里岩のところにやってきた。
瞬間。
木ノ葉に再び異質なチャクラ。
暁。
赤い雲。
うちはイタチ。
干柿鬼鮫。
葵は屋根に立つ。
風が、外套を揺らす。
イタチの声は静か。
鬼鮫が笑う。
葵の左目が冷える。
鬼鮫が水遁を展開。
あなたの下の名前は氷遁で凍結。
瞬時に空間結界を展開し、周囲を隔離。
市街地への被害を遮断。
医療忍術を自己強化に転用。
鬼鮫の大刀を弾く。
刹那。
鬼鮫を戦闘不能まで追い込む。
血を吐く鬼鮫。
イタチが前へ出る。
負けじとあなたの下の名前も氷遁を駆使して術の対処をする。
あと一歩。
しかし。
万華鏡が、開く。
月読。
世界が暗転する。
イタチの声があなたの下の名前の精神世界に響く。
今までずっと引きずってたものが流れてくる。
五歳のころの記憶が甦る。
かつて先輩とよんでいっつも後をつけて遊んでもらった光景。
その直後に流れてくる大切な人の死。
リン先輩の優しくなでてくれた手が冷たくなってもどってきた時。
オビト先輩のどれだけ待っても戻ってこなかった背中。
アカデミーでうちはイタチと比べられ劣っているとレッテルを張られた時。
景色が変わり七歳の夜。
結界が割れた音。
ミナト先生とクシナさんの最後。
ミナト先生から託された想い。
そして。
___ヒルゼンの何もかもやり遂げたようなそんな穏やかな笑顔。
何度も。何度も何度も何度も。
救えたはずの。
守れなかった場面が繰り返し出される。
現実に戻る。
膝をつく葵。
あと一歩だった。
本当に、あと少しで届いた。
イタチは静かにあなたの下の名前に問う。
その問いにあなたの下の名前は黙り込んだ。
答える気がないから?
否。
答えることができなかった。
鬼鮫が立ち上がりこうあなたの下の名前に言う。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!