家入さんに怒られてる。
顔を上げるとクマが目立つ家入さんの顔が見える。
たくさん言ってると思うんだけど…
いけない……先生だ……
昔の呼び方しちゃうな、はやく慣れないと…💦
先生と私を入れ替える?
坊を産むまでの数年、ずっと眠っていたらしい。
産んでから途端に止まっていた身体が成長を始めて
先輩たちとの顔合わせくらいでやっと手放しで歩けるようになったんだけど
数年間の社会情勢とか色々変わってて疲れてるらしい。
らしいっていうのは実感がないのと今まで何も言わない聞かない言われたことをただこなすだけの生活だったせい。
ふわふわと宙に漂って先に帰ろうとする。
慌てて振り向いて外に出る。
あ、これはダメなヤツだ。
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
No side
白い髪をした女子生徒を取り囲むのは人ならざるもの。
先程居た部屋に戻ると女子生徒に声をかけるトーンと全く異なる横柄な態度で話しかける。
分かっていたと言わんばかりの反応に眉間にシワが寄る幼子たち。
声を荒らげる白き髪の幼子を憐れむ感情を混じった瞳で見つめる似たような顔の黒い髪の幼子。
幼子たちの会話に耳を傾けていた訳では無いが、
完全に意識をしていなかった赤子は青年ほどに姿を変えていた。
意味ありげな言葉を放ち、黒く重そうな門の中に姿を消した。
無に帰った場所をみて一言、
校医の独り言は闇に消える。
【一方その頃】
突然変異した呪骸、パンダが口を開く。
さも当然の口ぶりで話すのは呪術界の御三家と言われる禪院家の出身 禪院真希。
呆れたような声をあげるもその単語はおにぎりの具である。
呪言師の末裔 狗巻棘。
空気がピリつく瞬間、3人は固まる。
白き髪の幼子は手を顎に置いて甚だ疑問だと言わんばかりの反応をする。
呆れたような声を上げる黒き髪の幼子に声をかける。
声をかけられたことに嫌悪しているのか2人の対になる髪の幼子たちはメガネをかけたその奥の瞳を睨みつける。
対として生まれているが性格はあまりに似つかない2つの呪霊をみて笑いをこらえる。
人の手を借りることを拒む白き幼子と
使えるものはとことん使う考え方をする黒き幼子。
黒い幼子がそう振り返ろうとした瞬間だった。
取引成立し、パンダに白い髪の女児が乗る。
たなびく霧の中、重厚感のある門が現れる。
ことごとく下に見る少女に吐き捨てるように言いつつ出てきた獣のような何かに跨る。
そして目的の場所まで颯爽と空を切るように走り抜ける。
唐突に聞かれた質問に唖然とする。
唐突に聞こえた声と共にその場に居た若い呪術師に緊張感が走る。
天井をゆうに超える門は実在しないため、天井を突き破りながらゆっくりと門が開く。
門の中に叫びながら小さい赤子は出てくる。
赤子の手首には光る紐が門の奥へと繋がっている。
皮肉をこめた言葉に返す言葉も視線も赤子には不要だった。
鼻で嘲笑う赤子は1層緊張感を味わう。
本題だとでも言うように大きく構える。
女性陣の好感はあがったが、聞いてきた東堂本人はガッカリとした表情だった。
そして東堂と伏黒の近接戦が始まってしまった。
と誰もが思った。
白黒の巨体が空から振り落ちた。
床に綺麗な土下座をする白黒の女児。
たるんでいた紐がピンと張る。
門の奥へまた叫ぶ。
門の奥へと消える白い女児。
門から外界に繋がる紐か張ったりたるんだりとする中で黒い女児は嬉しそうに笑う。
先ほどまでの笑顔とは一転し険しい顔をする。
それと同時に茶髪の生徒に通知音が響く。
慌てて小銭がバラける。
全く関係ないと言わんばかりに目線を逸らす。
いつの間にか京都からの来客は姿を消した。
目線を合わせ頷く。
2つの小さな呪霊は大きな門に帰って行った。
笑いながら冗談を言う先輩に首を傾げる後輩2人。
同級生2人はまだ彼女の人生がどれほどのものか知る由もない。
今はただ
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
電池が切れたように目を閉じ闇に飲まれる彼女も
また、彼女の同級生が今まさに過去に触れることを知らない。
















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。