第43話

2つの名家
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2026/07/25 14:26 更新
その日の午後。

アッシュフォード邸の応接間には、重厚な静けさが漂っていた。

大きな暖炉には火が灯り、窓の外では雪が静かに降り続いている。

アレクサンダー・アッシュフォード。

ルシウス・マルフォイ。

英国魔法界を代表する二つの純血名門の当主が、向かい合って腰を下ろしていた。

互いに長年面識はある。

しかし、こうして家同士の未来について話し合うのは初めてだった。

しばらく沈黙が続いたあと、ルシウスが口を開く。
ルシウス・マルフォイ
ルシウス・マルフォイ
「本日は、息子の願いを伝えに参りました。」
アレクサンダーは静かに頷く。
アレクサンダー・アッシュフォード
アレクサンダー・アッシュフォード
「聞きましょう。」
ルシウスは一度ドラコへ視線を向けた。
ルシウス・マルフォイ
ルシウス・マルフォイ
「ドラコ。」

「自分の言葉で話しなさい。」
ドラコは一歩前へ出る。

リアナの父親であるアレクサンダーを真っ直ぐ見つめた。
ドラコ・マルフォイ
ドラコ・マルフォイ
「アレクサンダー様。」

「私は、リアナ・アッシュフォードを愛しています。」
部屋の空気が静まり返る。
ドラコ・マルフォイ
ドラコ・マルフォイ
「昨日、私は初めて彼女の力の代償を知りました。」

「目の前で倒れる彼女を見て、何もできなかった。」

「その無力さが、今でも胸から離れません。」
ドラコは拳を握る。
ドラコ・マルフォイ
ドラコ・マルフォイ
「私は、彼女の隣で生きていきたい。」

「笑う時も。」

「苦しむ時も。」

「彼女の力も、運命も、すべて受け入れる覚悟があります。」
そして深く頭を下げた。
ドラコ・マルフォイ
ドラコ・マルフォイ
「どうか——リアナとの婚約を、お認めください。」
静寂。

暖炉の薪が弾ける音だけが響く。

アレクサンダーはしばらく何も言わなかった。

やがて静かに立ち上がる。

ドラコの前まで歩み寄ると、その瞳を真っ直ぐ見つめた。
アレクサンダー・アッシュフォード
アレクサンダー・アッシュフォード
「一つだけ答えなさい。」

「もし、この先リアナの力が暴走し、お前自身が傷つくことになったとしても。」

「それでも、お前は娘の手を離さないか。」
迷う余地などなかった。

ドラコは即座に答える。
ドラコ・マルフォイ
ドラコ・マルフォイ
「離しません。」

「命に代えても。」
アレクサンダーはその言葉を聞き、ゆっくりと目を閉じた。

昨夜、温室で見た景色が脳裏によみがえる。

純白の花。

植物たちの祝福。

そして、倒れた娘を必死に抱きかかえるドラコ。

その姿に偽りはなかった。

ゆっくりと目を開く。
アレクサンダー・アッシュフォード
アレクサンダー・アッシュフォード
「……顔を上げなさい。」
ドラコが頭を上げる。

アレクサンダーは穏やかに微笑んだ。
アレクサンダー・アッシュフォード
アレクサンダー・アッシュフォード
「君の覚悟、きちんと伝わったよ。」
その一言だった。

ドラコは目を見開く。

ルシウスも静かに息をつく。
ドラコ・マルフォイ
ドラコ・マルフォイ
「ありがとう……ございます。」
思わず漏れたその声は、震えていた。

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