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第1話

@'000
127
2026/03/09 12:00 更新
____ .
____ この悪女め !!
今日で お前とも お別れだ !
俺は お前との婚約を 破棄する !


 私の婚約者 ____ 王太子が そう 声高に 宣言した瞬間 、

 舞踏会の行われていた ホールは 一気にざわついた 。


 ありきたりな 展開 。 それでも 私はいいのだ 。

 この世界は 所謂 「乙女ゲー」 の世界 。

 そして私は 、 聖女である ヒロインを 貶めた罪で 処刑される 悪役令嬢 。


 このゲームの ファンの1人だった 私は 、

 前世で 事故により 死んだことを きっかけにこの世界へと 転生した 。

 即ち 、 生まれた時から 役割を理解していた 。

 だから この日 、 ヒロインが 幸せになれるよう 、 私は 懸命に 悪女を 演じてきた 。

 そして それが 実ったのだ 。 婚約を破棄された 私は 、

 最期まで 傲慢な態度を 崩さないまま 、

 王国史上最悪の 悪女として 一生を終える 。


 それが 今の私にとって 1番の 幸せなのだ 。

 大衆からの視線を感じ 、 王太子からの 罵詈雑言を 浴びながら

 ホールの扉に手をかけて そう思う 。

 さあ 、 これで あとは 屋敷へ帰れば 全てが終わる 。

 そうして 彼女たちは 幸せでいられるのだ 。 そして私も 。


 階段を降り 、 従者に 馬車を 手配させる 。

 この時の私は 、 人生をかけた 作戦が上手くいって 安心しきっていた 。

 もう 残りは 死ぬだけだと思っていた 。



 ____ 彼に 声をかけられるまでは 。



____ .
____ こんばんは 、
良い夜ですね
あなた
…… 何方ですか ?



 本当は 見覚えが あったけれど 、 話を ややこしくしないよう
 話しかけてきた 彼のことを 知らないふりを してみる 。

____ .
あれ 、 僕を 知らないんですか ?
余程の 箱入り娘なんですかね



 デリカシーのない 発言に 眉をひそめていると 、
 彼は 美しい お辞儀とともに 名乗った 。

knmc .
僕は 剣持刀也 と申します 。
… まぁ 、 そこら辺の 屋敷の 跡継ぎ とでも
言っておきますか
あなた
…… 剣持 ?
真逆 貴方が 剣持家の 令息様 でしょうか
knmc .
なぁんだ 知ってるじゃないですか 。
ぼかす必要も なかったですね



 剣持家 と言えば 、 この辺りを中心とした 4つの領地を治める
 四大侯爵家のうちの 1つ 。
 ヒロインや 私の家は 伯爵 なので 、 それより 位は 上ということになる 。


 そして 今現在 この国には 公爵は 年老いた古株の公爵 1人だけだ 。
 つまり この国において 剣持家は かなりの 権力者と言える 。

あなた
そんな 令息様が 私に 何の用で ?
knmc .
噂通り 嫌味っぽいなぁ 。
別に 僕だって なりたくて
跡継ぎになったわけじゃ ないですよ



 それは よく知っている 。


 この世界の 元となった 乙女ゲーの 世界では 、
 この 剣持刀也を含む 四大侯爵家の 跡継ぎ 4人が
 1番 攻略が 難しいと言われていた 。


 その理由は 単純 。 彼らが ヒロイン含め 周りの人間に
 全くと言っていいほど 興味が ないからである 。


 それは 彼らが 、 無理やり 望まない 跡継ぎの席に つかされ 、
 人間不信の ような 状態に 陥っていたから なのだ 。


 攻略には 、 とにかく 話しかけて とにかく 優しくするしかない 。
 しかも ストーリーの 途中から 攻略を目指すと ほぼ100%で
 攻略することは 不可能という 鬼畜仕様 。


 その難易度の高さ 故に 、
 逆に 高嶺の花感が 強まって 人気が強かった 4人だ 。


 そんな 冷酷なイメージのある 彼から
 真逆 悪役令嬢の 私に 話しかけてくるとは 、
 流石に そこまでは 想定していなかった 。

knmc .
ダラダラ 話してたって 意味ないので 、
単刀直入に 言いますね










knmc .
____ 王太子が 婚約を破棄するように したのは 、
羽崎あなたの下の名前 さん 、 貴女 自身ですよね










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