自分の部屋に戻って
玄関のドアをジョンハンが開けると、
声は届いているはずなのに
待ってくれる事もなくドアは自然に閉まった。
浅い溜め息が漏れて
まるでさっきまでのジョンハンの様子と同じ。
具合が悪いようにも見えたけど
不機嫌でもあったジョンハンは
部屋に戻って殻にこもっているのかな、、、、
だとしたら何て切り出せばいいんだろうか。
たくさんの空気を吸い込んで
玄関のドアを開けた。
自分の部屋に戻ってると思い込んでたものだから、
玄関のドアを開けてすぐ一歩を踏み出したら
目の前に大きな黒い影が立っていた。
なぜか話しながら
ジリジリと距離を縮めて向かって来て、
閉まったばかりのドアが背中に当たる。
これ以上下がれないのに
ギリギリまで近づくその距離は数10センチ。
こんな至近距離で見上げると
伏せた長い睫毛がよく目立つ。
意図がわからない質問に
思わず心の声がそのまま出た。
睫毛が影になっているからか
黒い瞳が揺れているようにも見えて
どう答えていいかわからなくて声が詰まる。
気のせいだったらいいけど、
もし本当にそうだったら私の答え次第で
目から溢れる物は見たくない。
答えが決まらないうちに口が出てしまった、、、
どうしよう、、、、、
ふっと笑う息が前髪にかかると
手をひらひらと振って
『 おやすみ 』
の一言を残して自分の部屋に戻って行った。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。