前の話
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東京呪術高専にて、英語の授業中。
夏油先生は背を向けて、文法のまとめを黒板にチョークで書いていた。
ころっころと、物が落ちる音がする。
見ると、星さんが消しゴムを落としていた。
物を拾おうと、彼が手を伸ばした時。
秤くんは星さんの消しゴムを拾おうとしてくれてのだろう、秤くんと星さんの手が触れた。
教師を含めて四人しかいない教室の中、二人の間に初々しくも気恥ずかしい雰囲気が流れる。
二人は頬を朱く染めていた。
私はそう思った。
私の名前はあなた・あなたの洋風の苗字 例:ルーテンベルク。
都立呪術高専に通う二年生である。
階級は四級術師。マジで弱い。
将来は窓になろうかな。でも、コミュ力必要だから無理かな……。
趣味は、四級呪霊相手にマウントをとることと、ガーデニング。
先日の任務の様子や、先ほどの授業風景を思い浮かべながら、高専の所有する花壇の土をいじる。
そうブツブツ呟きながら、害虫を潰す。
彼は後輩の狗巻棘くん。
家族以外には話す前に「えっ、あっ」をつけるコミュ症の私でも比較的普通に話せる相手だ。
おにぎりの具しか喋れないからかな。
ああっ、かわいいな狗巻くん。
被害妄想で荒れた日々のマジ癒し。
次の休みの日、私は父に呼び出されて実家に帰省することになった。
呪術師の家系にしては、珍しく洋館である。
まあそれは、私の家系が外様だからなのだが。
お嫁……オヨメ?
それって、跡継ぎを産むこともセットっていうことですよね?
うっ、赤ん坊を抱いている母親の自分……男の人とあんなことやこんなことをする自分……挙式をする自分……想像するだけで寒気が……。
お父さんと私のいる談話室の扉がノックされる。
ガチャ。
扉が開くとそこには……
私の可愛い後輩がいた。
目の前がチカチカする。
えっ、狗巻くん?
狗巻くんに、私相手にあんなことやこんなことさせるの?
私の婚約者として扱われることになるの?
何それ、本当に可哀そう。
罪悪感で、吐き気が……
私の視界は、暗転した。
【あなたのコミュ症具合】















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。