【るぅとSIDE】
色んな方向から飛んでくる指示を聴きながら、僕は虚空を殴る。
何となく手応えがあるから、倒せてるんだなってことは僕にも分かる。
まぁ流石に“餓者髑髏を倒した”とか言われた時はビビったけど。
そう言ってななにぃがスポドリを渡してくれる。
それをごくごくと飲み干して、そして言った。
そう言いかけた所を、莉犬にぃが遮る。
莉犬にぃはそう言って小走りで走り出す。
兄ちゃんは、僕と同じ黄色の目を片っぽ持ってるから、少しだけ視えたのだろう。
____この建物が崩れる未来が。
ジェルにぃは瞬間記憶の瞳でここら辺の地図を全て頭に詰め込んだ。
だから、的確なルートを教えてくれる。
そう指さした建物は。
今は崩れる気配もないくらいしっかりと建っているビル。
___けれど僕には、ボロボロに崩れ落ちる未来が視えた。
ななにぃの腕を引っ掴む。
必死の思いでななにぃにしがみつく。
彼はこれ以上兄弟を失うのが嫌なのだろうか、顔を歪ませる。
けれど兄は顔を横に振って、僕らを見て微笑んだ。
頼られた事が嬉しくて、思わず元気よく返事をする。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!