着いたのは廃校
補助監督さんが帳を下ろしたので今は1人だ
…物音がしなさすぎるんですけど
ホントに呪霊いんですか?
これでいなかったらホントにダルいんですけど
ゴシュッ
その差0.3秒
弱い、弱すぎる
逆の意味でこれ嫌がらせですよ
グイッ
何かに引っ張られるようにして床に沈む
引きずり込まれた先は暗闇に包まれただだっ広い空間
手らしき物が床から伸びてくる
領域が持てるとなれば1級以上
こっちが本命ですか
ただ領域の気配は感じなかった
…そうか
何処から何が来るのか分からない
そこら辺に呪力が満たされており感じる事も出来ない
それに視界が悪い
不意に後ろから衝撃が来た
痛い、尋常ではない痛みが背中にある
もう…ここまでですか
現世では死にたくないですけど
遺体を残したくない
…何で私、こんなこと言ってるんでしょうか
そっか
『限界を決めちゃダメだよ』
そうだ、まだ死んでないんだから
"行けるはずだ"
まだ行ける
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。