「俺は今から往生堂の仕事で家を空ける。しっかり留守番していてくれ」
そう言って微笑むと、鍾離先生は家を出ていった。
そうして家の中には俺1人。
別にここまではいいんだ、よくある事だから。
ここで不意に魔が差して、あの部屋に行ってみようと思ってしまった。絶対に俺を近づけない、鍾離先生の自室へ。
「物がこんなにたくさんあるのにここまで綺麗に整頓されてるなんて流石だなぁ…」
なんて呑気な事を考えながらあたりを見回す。
特段俺に隠したいのであろう物なんて見つからず、なんでここに入っちゃいけないんだろ?と考える。
そしてなんの気なしに近くにあった引き出しに手をかけてみる。
そこにあったものは、表に水元素のマークが施された美しい青色の球体だった。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!