背の高いコイツに合わせて、少し大股めに歩く。
やっぱり器用なのか、ちゃんと合図なしでも普通についてきた。
鼻で笑って、隅にあった小さな小さな突起を押す。
遠くの方でガコン、という音がして、対面の壁に切れ込みが入った。
でも確かに、俺が見てきた暗殺者たちはそんなにひどく呪われてはいなかった。
この世界に呪霊がいないって言うこと以前に、暗殺者は素姓があまり分からないこともあって、呪われにくいんだろう。
その言葉を無視し、無言で隠し扉の方まで歩き始める。
配慮なく大股で歩きやがったので、俺はものすごく足を開かなくちゃならなくなった。
仕方がないので先導して歩き、かつ床を壊して下に降りてあげる。
着地のときでも転ばなかったのは本当にすごいと思う。
そう言いながら左の扉まで歩いていって、その前にあった瓶をつかむ。
そして、口を開けて流した。
わずかに触れてしまった舌が、とてつもない酸味を感じた。
その前に知喰を使って毒を吸収したので、効くことはなかった。
「近道」なら、もう一方は「遠回り」
俺の扉の色が違ったのは、きっと青の扉に「通るとどちらかが爆散する」と書いてあったからだろう。
青い字で、隅っこに。
分かりやすいやつと分かりにくいやつで択を選ばされたんだろうな、なんて思った。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。