カラン、コロン
ん?お客さんですかね?
店のドアが開いた。
ほらほら!はやく!
早く入っちゃいなよー!真緒!
女子の声がする。
ちょっと待ってよ〜!
ッ!
【真緒】と呼ばれた彼女は、ニコニコと笑っている。
だが、、、なんというか、、、
どこか不安定な笑い方だった。
いらっしゃいませ。ようこそ、話屋へ
あ、わたし、絵里香って言います!
私は沙織!
あ、えっと、、、真緒、です。
よろしくお願いします。
、、、
やはり、不安定な笑い方。
何かを我慢しているような、、、
封じ込めているような、、、
一言で言うならば、“無”
まるで、マリオネットのようだ。
あ、あの、、、?
あぁ、すみませんね、少し、気になったことがあったもので、
はぁ、
沙織さんと絵里香さんが中心となって、話をする。
あ〜!楽しかった!
ね!もう、帰る?
あ〜、、、私は、、、
ちょっと、話したいことがあるから、
先に、帰ってて良いよ、
?わかった。
じゃ、また明日〜!
うん。
二人っきりとなった。
しばらくの間、沈黙していた彼女は、口を開く。
私、アニメーターになりたいんです。
口から出てきたのは意外な言葉。
はぁ、良い夢ですね、
でも、両親からは、医者になれ、と
、、、
複雑、、、ですね。
なんだか、最近、苦しいんです。
と、言うと?
苦しい、とは、息が詰まる。と言う意味だろうか、
ぁ、分かんないです。けど、
理由はわからないんですけど、苦しいんです。
最近、母や父と一緒にいると、なんだか、
箱の中に押し込められているようで、、、
えっと、、、
言葉で表すのは、難しいんですけど、、、
なんでも、否定されて、、、
最近は、友達も、選べって、、、
私がコンクールなどで入賞したときは、近所に言って回るんです。
、、、
話を聞くに、この子の両親は、典型的な、[毒親]と言うものだろう。
もう、嫌なんです。
しあわせな、はずなのに、
だんだん、人と会うのが嫌になって、
【消えたい】って、思うんです。
死にたいとは、また別の部類で、
このまま、誰も知らない、誰もいない、静かなところに、行けないかな、って、
そう、思う。
あの、どうしたら、良いんでしょう?
、、、
少し考える。
どうしたら良いのか、
どの選択が、1番的確か、
よし、
おそらく、ですが、あなたの両親、
[毒親]と呼ばれるものだと思うのですが、、、
毒、親?
はい、子供の成長を毒する親のことを、世間一般には、[毒親]と言います。
きっと、あなたの両親は、あなたのことを考えていないのではないでしょうか?
そ、んな、わけ、
だって、お父さんも、お母さんも、、、
いち、ばん、に。
、、、
あれ?おかしいな、
こう、考えたら、誰も、私の、ことは、、、
本当の私は、見せたことがない。
いや、見せられない。
、、、
あ、お話、聞いてくださり、ありがとうございました。
これ、お金です。
あ?あぁ、お金なんか、いらないのに、
いえ、貰ってください。
はぁ、
あ、本当に、ありがとう、ございました。
、、、いつか、
いつか、あなたのことを、わかってくれる人が、できると良いですね、
、、、できるでしょうかね、
そう言って、店のドアは、閉められた。
なんだか、複雑ですね、
少しの間、かぶっている仮面を外す。
この顔は、、、見せられないですね、
店長の顔は、ひどく歪んでいたと言うか、なんというか、
今まで、見たことのない、顔をしていたらしい、
だが、店長の素顔が、
明かされることは、まだ、ない。
こちら、今回登場した、真緒ちゃんが主人公の作品です。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!