ピピピとうるさくアラームがなった
文字盤には8時10分
8時半から始まる学校には
間に合いそうもない
学校に着いた頃には8時半を優に超えていた
先生におこられながら教室に入ると
しらけた顔をした貴方がいた
こちらをちらっと見たかと思えば
すぐに逸らした
外の花壇にある
ピンクの植木鉢に植えたハナミズキを見ながら
なぜか安堵を感じてしまう自分がいた
その花には
大きなつぼみがついていた
休憩中も
授業中も
帰る時でさえも
全て好きで
化石になってしまいそうなくらい好きで
私が淡々と書いていく中
貴方は静かに待っていた
昨日は珍しく喧嘩してしまっていた
内容は ウォルピスの好きな人のことを私に聞いてきて
モヤモヤな感情が爆発して
そのまま喧嘩してしまった
そんな顔しないでよ
なんで…あの子が好きなんだろう
知られてはいけない感情を殺して
私は今日も
あの子のように大した取り柄もないからさ
表情筋を少しマッサージする
嘘だよ
君が好きな人がいて
私はその人に勝てなくて
その空っぽな心が埋まらないのを
私の夢は
優しい貴方の右隣に立つこと
そしてそれは
叶わないから
きゅうっとなる心を抑えて
くらっと倒れそうだけど
耐えて
今日も嘘をつくんだ











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。