次の日の朝。
電車に揺られてうとうとしてると、
しのと周杜が乗ってきた。
ふたりと登校中に出会ったことはない。
驚きで目が覚めた。
ん…?なんだろう。
かすかな違和感を感じる…。
そこで俺は気づいた。
周杜が元気すぎる。
周杜が元気なのはもともとだけど、いくらなんでも、なんか……空元気っていうか……。
何かあったのかな?
ふたりと電車に乗ること15分。
しのは朝が早かったのか、寝てる。
しの、寝顔が赤ちゃんみたいだな…。
ちらっと周杜の方を見る。
周杜の表情が暗い。
目は虚ろで、光がない。
俺の視線に気づいたのか、周杜もこっちを見る。
俺が話しかけようとすると、周杜はしのを起こし始めた。
無視された……?
心がひゅっと冷たくなるのを感じた。
駅から出て学校へ向かってるときも、違和感は増えていくばっかりだった。
周杜……。
なんだか無理して元気な気がする。
しのが笑ってる時、周杜の目からまた光が消えた。
曇ってる表情に、俺の心配が止まらない。
ウソだ。絶対。
大丈夫じゃない人ほど、大丈夫って言う。俺もそうだったから。
でも俺は、それ以上聞けなかった。
それ以上聞いたら、周杜が散って消えてしまいそうだった。
周杜が、俺から離れていってしまいそうだったから。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。