▶《 家族の灯火 【 イルーガ 】 》
解放しますか ?
▶はい いいえ
今日も今日とてグラスを撫でる 。
デミアンさんに許可は出されているが
カクテルを作る気は起きない 。
フリンズさんに気づかれてから …
何だか恥ずかしくなってしまった 。
カウンターから話しかけてきた彼は
眉を下げて私を見つめる 。
私に伸ばされた手は
残り数cmのまま固まっている 。
" ライトキーパー " と聞いて
思わず叫んでしまう 。
フリンズさんが脳裏を過り 、
再び羞恥心がもくもくと吹き上がる 。
手に持っていた瓶を
落としそうになってしまう 。
ライトキーパーって皆こうなの !?
皆こんな … 聞こえのいいこと
言ってくれるの !?
それっきりイルーガさんは黙ってしまった 。
暗いことを話しすぎただろうか ?
だとしたら … 申し訳ない … 。
先程とは真逆で 、
心底嬉しそうな顔をした 。
家族 … ? 何の話 … ?
彼は早口で話し始めた 。
きっと私の返答が早く聞きたいのだろう 。
彼も孤児で 、 ライトキーパーの
偉い人に拾われて 、 それで ──
私のことが 、 心配になったからだと 。
直感的に 、 守らなければと 、
そう強く感じたからだと 。
聞き返す前に彼はそそくさと
2本の瓶とサイダーを手に 、 離れていく 。
入口の前でコツン 、 と止まった足音は
私の顔を見て微笑んでいた 。
▶おめでとうございます 。
《 RE:RE:RE 【 ファイノン 】 》を
創作しました 。
▶人物 《 夜霧に輝く鶯 》 を
記録しました 。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。