ー城の中庭・訓練場ー
あなた
「はぁ、はぁ……。
つ、司さん……もう無理です……」
今日は朝から、司さんに剣術の稽古をつけられている。
私、ただの女子高生なんだけどな。
なんで木刀なんて振ってるんだろう。
司
「何を言うかあなた!!
護衛がいるとはいえ、自分の身は自分で守れるに越したことはない!
さあ、あと100回だ!!」
彰人
「……おい司。やりすぎだろ。
こいつフラフラじゃねえか。
ほら、あなた。水飲め」
彰人くんがベンチからタオルと水を投げてくれた。
彰人くん、口は悪いけど本当にオカンみたい……あ、怒られそう。
あなた
「ありがとう彰人くん……。
でも、私、全然うまく振れなくて……」
司
「ふむ……。
確かに、腰が入っていないな。
貸してみろ。こうやるんだ」
司さんが私の後ろに回った。
え?
背中に、司さんの胸板が当たる。
ガシッ、と私の手の上から、司さんの手が重なった。
あなた
「つ、司さん!? ち、近いです!!」
司
「動くな! これが基本の構えだ!
いいか、力を抜いて……そのまま踏み込む!!」
耳元で司さんの大きな声が響く。
熱い。体温が直に伝わってくる。
これ、完全に後ろから抱きしめられてる状態じゃん……!!
瑞希
「あ~あ。司先輩ったら、ドサクサに紛れて役得だね~。
顔緩んでるよ~?」
木陰で休んでいた瑞希ちゃんが、ニヤニヤしながら茶々を入れる。
彰人
「……チッ。
おい司、離れろ。教えるなら口で言えばいいだろ」
司
「む? 何を言う彰人!
身体で覚えるのが一番早いのだ!!
ほらあなた、もう一度だ!!」
あなた
「は、はいぃ……」
(心臓がうるさくて、剣のことなんて頭に入らないよ~!)
KAITO
「……おや。熱心だね、みんな」
その時、涼やかな声が響いた。
テラスの上から、団長さんがこちらを見下ろしている。
いつの間にいたんだろう?
司
「む! 団長!!
見ていてください! あなたは筋がいい!
すぐに立派な騎士になれますぞ!!」
KAITO
「ふふ、それは頼もしいな。
でも、司くん。
あんまり彼女に無理をさせないでおくれよ?」
KAITOさんは手すりに肘をついて、ニコリと微笑んだ。
逆光で表情がよく見えないけど、声はすごく優しい。
KAITO
「彼女の体に、傷一つでもついたら大変だ。
……綺麗な肌なんだから、大事に扱わないとね」
あなた
「っ……///」
(遠くから言われてるのに、なんでこんなにドキドキするんだろう……)
彰人
「……分かってますよ。
怪我なんてさせません」
彰人くんが、私を司さんから引き剥がして、自分の背中に隠した。
なんだろう、このピリピリした空気。
KAITO
「うん、彰人くんは心配性だね。安心したよ。
……じゃあ、僕は執務に戻るから。
あなたちゃん、後で部屋においで。
ご褒美に、甘いお菓子を用意してあるからね」
KAITOさんはヒラリとマントを翻して、城の中へ戻っていった。
ご褒美……?
部屋に、二人きり?
瑞希
「わお。団長からの呼び出し~?
いいな~あなたちゃん。
あの団長が、特定の誰かを部屋に呼ぶなんて珍しいのに」
司
「ぬぬぬ……!! 団長め、油断ならん!!
あなた! 俺もついていくぞ!!」
彰人
「お前は行くな。余計ややこしくなる。
……はぁ。
あなた、行くなら気をつけろよ。
あの人、優しい顔して独占欲の塊みたいなとこあるからな」
彰人くんの忠告に、私はコクンと頷いた。
首元のペンダントが、心なしか熱くなった気がした。
8話更新~!⚔️✨
今回は司くん回!!🌟
バックハグでの剣術指導とか…ベタだけど最高じゃない!?💕
司くん、天然でこういうことするから罪深い男だよ…
そして団長さん!!💙
テラスから見下ろしてるの、「支配者」感あってヤバい…
「傷一つでもついたら大変」「綺麗な肌」って…
それって心配?それとも執着?🥺
次回、団長さんの部屋で二人きりのティータイム!?☕
何が起きるのかな~?
彰人くんの「独占欲の塊」発言も気になるよね!🖤
面白かったら♡と☆よろしくね!🫶🍬













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!