あなた
ふわあ……よく寝た。
目が覚めると、天蓋付きの豪華なベッドの上だった。
そうか、私、異世界に来て白騎士団のお城にいるんだった。
夢じゃなかったんだ。
ふかふかの布団に顔を埋めていると、突然ドアがバンッ! と開いた。
司
「フハハハ!! おはようあなた!!
目覚めの気分はどうだ!?
この天馬司が、直々に起こしに来てやったぞ!!」
あなた
「ひゃっ!? つ、司さん!?」
朝から声が大きいよ……!
しかもキラキラした笑顔が眩しすぎる。
彰人
「……おい、司。
ノックもせずに女の部屋に入んじゃねえよ。デリカシーねえな」
司さんの後ろから、呆れ顔の彰人くんが入ってきた。
手には湯気の立つ洗面器とタオルを持っている。
え、それ私のために?
司
「何を言う彰人!
姫君の朝を彩るのは、スターである俺の務めだろう!」
彰人
「はいはい。
……ほら、あなた。顔洗うお湯、持ってきてやったぞ。
ここの水は冷たいからな。風邪ひくといけねえし」
あなた
「あ、ありがとう彰人くん……!
すごく温かい……優しいね」
彰人
「……別に。
お前が倒れたら、俺の護衛任務に支障が出るからな。
勘違いすんなよ」
そう言って顔を背ける彰人くんの耳が、少し赤い気がする。
もしかして照れてるのかな? 可愛いとこあるじゃん。
瑞希
「やっほ~! 2人は退散退散~!
ここからはボクの時間だよ♪」
ひょこっと顔を出したのは瑞希ちゃん。
手には可愛らしいドレスをたくさん持っている。
瑞希
「団長から、『彼女に似合う服を用意してあげて』って頼まれちゃってさ。
ボクのセンスで、あなたちゃんを世界一可愛くしてあげる!
さあ、着替えよっか♪」
あなた
瑞希ちゃんに追い出されて、司さんと彰人くんは渋々部屋を出て行った。
瑞希ちゃんが選んでくれたのは、白を基調としたフリルたっぷりのワンピース。
うわあ、こんな可愛いの着たことないよ……!
ー食堂ー
着替えを済ませて食堂に行くと、長いテーブルに豪華な朝食が並んでいた。
すごい、全部美味しそう!
司
「おお! 来たなあなた!
さあ、こっちだ! 俺の隣の席を空けておいたぞ!」
彰人
「はあ? 抜け駆けすんなよ司。
おい、こっちに来い。パンケーキとオムレツ、どっちがいい?
取ってやるよ」
あなた
「えっと……」
二人が私の左右の椅子を引いて待っている。
どっちに座ればいいの?
瑞希
「あ~あ、二人とも必死すぎ。
あなたちゃん困ってるじゃん。
……ま、ボクはこっちで優雅に紅茶でも飲んでよっと♪」
瑞希ちゃんは向かいの席でニヤニヤしてる。助けてよ~!
それにしても、団長さんの姿が見えないな。
あなた
「あの、団長さんは……?」
司
「む? 団長か?
あの方は多忙だからな。執務室で書類仕事だそうだ。
朝食は部屋で済ませると言っていたぞ」
彰人
「本当、働きすぎだよなあの人は。
……なんだよあなた。俺たちがいるのに、団長のことばっか気になんのか?」
彰人くんが不機嫌そうに眉を寄せる。
その瞳が、私を射抜くみたいに鋭くて、ドキッとした。
あなた
「ち、違うよ! ちょっと気になっただけで……」
彰人
「……ふーん。ならいいけど。
ほら、口開けろ。オムレツ食わしてやるから」
あなた
「ええっ!?」
司
「貴様!! 抜け駆けは許さんぞ彰人!!
あなた、俺のスープも飲むんだ!!」
朝からイケメン騎士様たちにあーんされるなんて……。
私の心臓、これから毎日持つのかな!?
5話更新!🥞
今回は朝のドタバタ回でした~☀
彰人くんの「勘違いすんなよ」頂きました!!ツンデレ最高かよ💕
司くんもグイグイ来るね~!
団長さんはお仕事で不在です
カイト兄さん推しの人ごめんね
でも彰人くんと司くんの取り合いが書きたかったから満足!
次回は城下町にお出かけ!?
黒騎士が動く予感💜
お楽しみに~!!✨













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!