第2話

《SMA》2 幼稚な部屋
71
2025/11/21 07:30 更新
ヨツバ
ヨツバ
じゃあ、自己紹介も兼ねてこれから診察を行う。
カルテ順に呼ぶから呼ばれた者は医療相談室に来てくれ。
そう言うと、最初に一番の男の人が呼ばれた。
私は2番だからこの人の次に呼ばれる。

本当に、一人一人に目を向けて話してくれるの?
私は疑問に思った。まあいいか、めんどくさいことは周りの空気に溶け込んで気配を消す。
オギノ オオハル
オギノ オオハル
じゃあ呼ばれるまで各自自由行動ってことで…
調べたいこともいくつかあるしね、
ひときわ背の高い患者が手を上げてそう言った。
私も、ここについてもう少し調べたい。
ヨモギ ハルト
ヨモギ ハルト
そういえば、オギノさん?って警察官なんですよね?
これって拉致監禁にあたりません?
オギノ オオハル
オギノ オオハル
ここが現世で、あの少年が嘘をついているのなら、ね。
…だが、犯人の動機が分からない。
オギノさんがそう言うと小さな女の子がにやにやしながら口を開いた。
カヤノ レナ
カヤノ レナ
そりゃ、ボク達11人に殺し合いをさせるためだろうねぇ
ワカバヤシ ヒナ
ワカバヤシ ヒナ
殺し合い…!?そんな…っ
カヤノ レナ
カヤノ レナ
こんな面白い人たちばっかり集めてさ、何するって言ったらそれ以外思いつかないもん
こんな小さな女の子が殺し合い…なんて物騒な言葉を知っていることにも驚きだが、なぜかその言葉には納得させられた。
カヤノ レナ
カヤノ レナ
あのヨツバとかいう看護師、ボク達が殺されたって言ってたけど
実際今から殺されるんじゃない?
カヤノ レナ
カヤノ レナ
だってボク達は生身の人間だよ?
生きてるじゃん
クサナギ エミ
クサナギ エミ
…ですが、まだなにも確証付けられるものはありません。
そもそも、ここが現世なのか…あの世なのかさえ…
みんなそう言うと黙り込んでしまった。
アトウ コヅキ
アトウ コヅキ
じゃあさ、取り敢えず捜索したらいいんじゃない?
さっきの面談?もまだみんな受けてないわけだし。わかんないことばっかなのは仕方ないでしょ。
ワカサキ コウリョク
ワカサキ コウリョク
そもそも無事に帰ってくるといいけど…
セリザワ ナツキ
セリザワ ナツキ
えっ…既に犠牲者…!?
退場が早すぎるよ…っ
まあ流石に大丈夫だとは思うけど…
看護師さんも嘘をついているようには見えなかった
オギワラ キヨタカ
オギワラ キヨタカ
じゃあ…
手分けして辺りを散策してみよう。
外にも出られるみたいだし…
そう言い、じゃんけんをして班を決めた。
2人になるとまずい可能性があるので取り敢えず、3人ずつに分かれた。
アトウ コヅキ
アトウ コヅキ
えっと…よろしく。
ワカサキ コウリョク
ワカサキ コウリョク
改めて…よろしくね、
ワカバヤシ ヒナ
ワカバヤシ ヒナ
よろしくね、コウリョクちゃん、コヅキちゃん。
私はワカサキさんとワカバヤシさんと同じ班になった。
…正直、私は恋バナなどは少し苦手なのでワカバヤシさんとは、相性が悪いと感じていたのだが…
ワカバヤシ ヒナ
ワカバヤシ ヒナ
じゃあ自己紹介するね。
ヒナは、ワカバヤシヒナ。
気軽にヒナって呼んでくれて構わないからね
アトウ コヅキ
アトウ コヅキ
よろしくお願いします、
えっと…ワカバヤシさん?
ワカバヤシ ヒナ
ワカバヤシ ヒナ
もうっ、ヒナでいいってば
アトウ コヅキ
アトウ コヅキ
あ…ひ、ヒナさん?
私がそう言うとワ…ヒナさんは満足したように微笑んだ。
ワカサキ コウリョク
ワカサキ コウリョク
えっと…私はワカサキコウリョク。
好きな物はフィギアスケートで…多分、生前にもしてたんだと思う。覚えてないけど…
アトウ コヅキ
アトウ コヅキ
なんで覚えてないのにフィギアスケートが好きってわかったんですか?
ワカサキ コウリョク
ワカサキ コウリョク
わかんないけど…なんとなく…
アスリートの勘っていうか…
覚えてないのに変だよねとワカサキさんは笑った。
ワカバヤシ ヒナ
ワカバヤシ ヒナ
次、貴方よ。
アトウ コヅキ
アトウ コヅキ
あぁ、えっと…アトウコヅキです。
よろしくお願いします。
ワカバヤシ ヒナ
ワカバヤシ ヒナ
…何か好きな物とか、やってたこととかわからない?
そう言われても私にはワカサキさんのようにアスリートの勘はなかった
アトウ コヅキ
アトウ コヅキ
えっと…多分、高校生です。
ワカサキ コウリョク
ワカサキ コウリョク
高校生かあ、いいね、青春じゃん。
アトウ コヅキ
アトウ コヅキ
あえっと…どうだろ…
私は苦笑いをした。
ワカバヤシ ヒナ
ワカバヤシ ヒナ
じゃあ、探検しましょ!
この病院とっても広いし…
ワカサキ コウリョク
ワカサキ コウリョク
私達は病室だっけ
…みんなの個室、入っていいのかな…
私達は病室の担当になった。
みんなの個室を見て記憶がなくなる前どうしていたのかを予想するらしい。
アトウ コヅキ
アトウ コヅキ
みんな良いって言ってたし大丈夫だと思うけど…
ワカサキ コウリョク
ワカサキ コウリョク
ん〜…そうなんだけど…
なんか…悪いことしてる気分…
ワカバヤシ ヒナ
ワカバヤシ ヒナ
こういうの、ヒナ大好きだわ…
なんか、楽しくない?
そうだけど〜…とワカサキさんはすこし気まずそうにしていた。
気持ちはわからなくはない。私もあまり人に自分の部屋は見せたくないタイプだ。まあ私たちはここに来たばかりだから別に良いのか…?
アトウ コヅキ
アトウ コヅキ
じゃあ最初…えっと…カルテ番号01の…
ワカサキ コウリョク
ワカサキ コウリョク
イガキコウタくん?だよね
コヅキちゃんと同じくらいの子じゃない?
アトウ コヅキ
アトウ コヅキ
そうだったっけ…そうかも…
たしかイガキコウタは黒髪の高校生くらいの男の子だった。
なんだか不思議な感覚を身にまとっており、明るそうには見えるが深いところには辿り着かせない…そんなふうに見えた。
ワカサキ コウリョク
ワカサキ コウリョク
じゃ、じゃあ…失礼します…っ
ワカサキさんが扉を開けるとそこは、まるで小児科のフリースペースのような…ピンクの柔らかいマットが床に敷き詰められ馬の玩具や積み木が置いてあった。
アトウ コヅキ
アトウ コヅキ
えっと…部屋間違えた…?
ワカバヤシ ヒナ
ワカバヤシ ヒナ
みんな、コウタくんの部屋には入らなくて…本人も入れようとしなかったから…
ワカサキ コウリョク
ワカサキ コウリョク
隠してたんだ…
アトウ コヅキ
アトウ コヅキ
でもどうしてこんな…
ワカサキ コウリョク
ワカサキ コウリョク
趣味…?
ワカバヤシ ヒナ
ワカバヤシ ヒナ
いや流石に…あ、でもこういうことあんまり言わないほうがいいのかしら…
アトウ コヅキ
アトウ コヅキ
え?何が?
ワカサキ コウリョク
ワカサキ コウリョク
ワカサキさんは真面目に病室を眺めていた。
ワカサキ コウリョク
ワカサキ コウリョク
これ…
アトウ コヅキ
アトウ コヅキ
バッド…?
ワカサキさんは恐る恐るバッドを握った。
ワカサキ コウリョク
ワカサキ コウリョク
きゃっ…
ワカバヤシ ヒナ
ワカバヤシ ヒナ
…なにこれ…?
そこには真っ赤な血痕がこびりついていた。
院内に甲高い叫び声が響く。
ワカバヤシ ヒナ
ワカバヤシ ヒナ
こ、これ‥血?誰の…
アトウ コヅキ
アトウ コヅキ
さっき看護師さんが言っていたけれど私たちは一度死んでいる。
つまりはこれは私たちが死んだ原因のヒントなのだろうか。とすればここはイガキコウタを殺した犯人の……
なんて趣味の悪い、だけれど日常に退屈していた私はすこしだけワクワクしていた。
こちらにこの小説を応募したいのですがよろしいでしょうか

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