ずっと見てた人が急に喋ったから
びっくりして尻餅をついてしまった。
その人はさっきまで彼を囲んでいたのに
彼が動いたことで落ちた花たちにも目もくれず
窮屈さから解放されて嬉しそうにその箱の中から出た。
そして服についた綺麗な花たちを
乱暴に払い落としている。
彼は気づいているんだろうか。
いくつもの花が踏まれてさっきまでの美しさが
一ミリも残っていないことに。
さっきまでの柔らかい雰囲気とは一転して
一気にキツくなった言葉遣いに戸惑ってしまう。
また雰囲気が変わった。
あまりにも変わるタイミングが多すぎて
どの彼が本物か分からなくなる。
店の奥へ駆けていく姿は可愛いだけなのになぁ。
いやいや、なに期待してんだよ。
もしかしたら、持ってくるって言ったのは傘のことで
傘持ってきて
じゃあ、ね…帰って?とか言うかもしれねぇからな。
いや…ありえるな。
さっき彼が落としていった花たちの片付け
でもしよっかなー。
それにしても、こんな綺麗な花たちを
踏んじゃうなんてもったいないなぁ…。
トントン
彼が戻ってきたのかな。
どっちかな、傘かタオルか。
振り返ったら決まるってことだよな?
どうしよっかな、振り返らないでみる?
なーんて、ずっと無視してちゃダメか。
さっき俺にイタズラしてきたツルが
また俺にイタズラしていたみたい。
ってかさっき、ここまでツル伸びてたっけ…?
生きてるのか?
いや、生きてはいるのか。
そうじゃなくて…自我もってるってこと?
いやそんな…まさかね。
眠くなってきて頭おかしくなったんだろ。
夢の中に入るにはまだ早いのに。
目覚めまであと4時間30分。
SnowMan's love(短編の方)は
一気に出したいので少し遅くなります。
P.S.ふっかさん、誕生日おめでとうございます💜












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!