誰かに呼ばれている気がする。しかしあまりにも心地いい夢の世界で、全く体は動かない。
あなた
「zzz…」
伏黒
「はぁ…準備終わったら起こしてくれって言ったの先輩じゃないですか…」
恵は、目の前で気持ちよさそうに爆睡している男をジト目で見つめている。
呆れながらも起こさないのは、恵みなりの優しさという所だろう。
伏黒
「…!もう結構日が昇ってきたな。」
つい先程まで5時半位だったはずだが、気がつけば7時に差し掛かっている。
?
「お、恵じゃん。早いな。」
不意に後ろから声をかけられ、振り返る。そこには、そばで寝ている先輩以外の残りの2年生ズだった。
伏黒
「おはようございます。パンダ先輩、狗巻先輩、真希先輩。」
恵は立ち上がり、軽く会釈をする。
パンダ
「おう。おはよう。」
狗巻
「明太子。」
1人と1匹が手を上げながら近ずいてくる。
禅院
「ん?そういやあなたはどうした?居ねぇのか?」
パンダ
「アレ?そういやそうだな。部屋には居なかったぞ?」
狗巻
「しゃけ。」
伏黒
「あの、あなた先輩ならここに…」
そう言って恵はおずおずとすぐ下を指さす。
2年生ズが覗き込むと、そこにはスヤスヤと気持ちよさそうに眠る男がいた。
禅院
「んでコイツは寝てんだ?」
伏黒
「あなた先輩は4時には起きてたみたいで、俺が来た時までは起きてました。組手するかと言われたんですが、いつの間にか寝てました。」
パンダ
「…まぁあなただしな…」
狗巻
「しゃけ…」
こうしてスヤスヤと眠る特級術師は、大切な友人と後輩に、知らぬ間にジト目を向けられるのだった。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!