生まれてからずっといた実験施設
今日、私はここを出ていく
私以外にも実験体の子はたくさんいる
中には、“失敗作”と呼ばれている子もいる
その子達は、私を見てなんて思うだろうか?
きっと、憎しみの目で見てくるだろう
でももう、気にしてない
日常茶飯事だ
最後の最後まで、このチョーカーは外してくれないのか
GPSが埋め込まれている黒いチョーカー
5歳くらいのときから着いている
もう慣れっこだけど
案の定、子どもたちは私を睨んでいる
「お前だけずるい」
そんな目をしている。
わかってたけど、なんか嫌だな
私は最後に深く頭を下げてお辞儀をし、
施設から出ていった
案内されたのは大人っぽいバー
どう見ても未成年が来ていい場所じゃない
カウンターには黒いモヤみたいな人が立っていた
多分男性
黒霧さんが出してくれた紅茶は
とっても美味しくて
温かかった。
死柄木さんはそれだけ言ってふらふらと
どこかへ行ってしまった
黒霧さんが私の言いたいことを見透かしてるかのように
言ってくる
ホントに何で分かったんだろう
個性なのかな?
すごいなこの人













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。