第10話

自由。
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2025/04/24 03:00 更新
ドレスに着替え、煌びやかな部屋に連れていかれる。


眩しい。

ただただそう思った。
シューツバー当主
やっと来たか、ほら挨拶しなさい
あなた
……申し訳ございません、お兄様
カーテシーのやり方を忘れてしまいましたわ
シューツバー当主
なっ、
あなた
お客様もご了承くださいませ
なにぶん、血気盛んなもので

そう言ってから綺麗にカーテシーを見せる。


まあ、お客さんが悪い訳じゃないからね。
兄弟喧嘩に巻き込ませるのは申し訳ないから仕方なくだからね。

フイッとお客様から目を逸らす。
???
……
???
…ふっ、シューツバーさん。席を外してもらっても?
シューツバー当主
え、で、ですが妹が粗相をしないか
???
早く出ろ、言葉がわからねぇのか

…2人いるのか


しっかり顔も見てなかった私は兄が出ていくと同時に顔を上げる。


1人は金髪、もう1人は黒髪……ミカサに似てるな…
???
…さて、あなたの下の名前・シューツバー
あなた
なんですか、金髪さん
???
…エルヴィン、切り刻むか?
エルヴィン
やめろリヴァイ、大事な駒だ

さて、どっちが私の婚約者だ?


ジッと2人を見つめていると不思議そうにエルヴィンとかいう人が私を見てきた。
あなた
何?
エルヴィン
…いや、ピクシス司令から聞いていた感じとは違う気がしてな
あなた
……ピクシス司令、が?
エルヴィン
あぁ、説明する前にこれだけ聞きたい
エルヴィン
君は、何になりたい
あなた
父のような騎士になりたい
リヴァイ
即答だな
エルヴィン
そうか、それならシューツバーの当主にもなれるのか
あなた
…え?

とう、しゅ??

当主って…まさか、
あなた
兄を殺す気ですか
エルヴィン
そうだと言ったら?
あなた
……言わせないでください
エルヴィン
…わかった、説明しよう
エルヴィン
実は3年前、ピクシス司令がとある頼み事をしてきた
エルヴィン
それが君との婚約…とはいえそれは形だけで君をこの家から自由にするための策だ

つまり、
あなた
私は3年前に、すでに自由を手に入れられていたと
エルヴィン
…いや、それは違う
君にはシューツバーの当主になってもらう
エルヴィン
それが、調査兵団がこの作戦に加担した理由だ
リヴァイ
シューツバーの当主になる
だからお前は一生自由では無いってことだ
リヴァイ
わかるか?ガキ
あなた
……わかります、でもそれを私が受け入れなければ
エルヴィン
その時は私と本当に結婚することになるだけだ
あなた
嫌です
エルヴィン
即答だな

ははっと笑うその人からは敵意は感じられない。


どちらかと言うと隣の黒髪の人の方が怖い。
あなた
…はぁ、わかりましたよ
当主にでもなんにでもなります
あなた
その代わり、──────
エルヴィン
……いいだろう
リヴァイ、頼めるか
リヴァイ
あぁ


その日、私は自由になった。


《自由》に……なったんだ。

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