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第1話

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2020/06/02 07:00 更新
ある晴れた日、ひとりの少年がある国に迷いこんで来た。
名を「剛(つよし)」という。
隣の国の王子だが、自分の国にいるのがいやになり、孤独で寂しい日々を送っていた。

仲間と呼べる人と会いたい。
誰か俺の友人になってくれる人はいないだろうか?
そう考えながら歩いていたときだった。
アンナ姫
助けて!!
少女の声が聞こえてきた。
しかし、剛王子は、どうしようか迷っている。
その少女は、黒い影に追われているようだった。
剛王子
逃げるんや!!
アンナ姫
えっ?でも・・・・
剛王子
早く!
剛王子は、勇気を振り絞り、彼女を、逃がした。
アンナ姫
あ、あなたはどうするの?
剛王子
ええから早く逃げるんや!!
アンナ姫
はい!
その少女は、言われるがままに逃げていった。
しかし、ホッとした剛王子は油断したのか黒い影に襲われてしまった。
魔女
お前も道連れだ。その姿になってもっともっと孤独になるがいい
もとに戻るにはお前を愛する人を見つけるべきだ
剛王子
・・・愛する人?
傷つけられた剛王子は、
剛王子
そんな人・・いない・・・
そう呟いて倒れてしまった。
そして、その姿は・・・・
「犬」になっていた。

しばらくして、白馬に乗る一人の少年の姿が見えた。
彼の名は、光一王子。
この国の位の高い王子だ。だが、彼は優しい心の持ち主であった。
倒れている1匹の犬・・・・
光一王子
怪我をしている・・・
可哀想に・・・・
彼は、犬(剛王子)を、抱き上げると、自分の城へと戻っていった。


剛王子
・・・・・?
目を覚ますと天井。
剛王子
ここは?
光一王子
目を覚ました。良かった。生きていたのだな
剛王子
(あ、あの)
光一王子
なんだよ。犬のくせに俺のことをみて
剛王子
(えっ?俺が犬?)
ふと、隣にある鏡を見るとビックリ。
自分はなぜか、彼の言う通り犬になっている。
なんでや?
剛王子
ワオーン
光一王子
(笑)おかしな犬だな。よし、名前をつけてやろう
剛王子
ワオオ(剛と言ってるつもり)
光一王子
そうだなぁ~
ん?首輪がついている
剛王子
わっ?(えっ?)
光一王子
つよし・・・
剛王子
(ゴクン)
ミルクを1度にのみこんだ。自分が望んだ名前ではあるけれど・・・・
光一王子
お前、つよしというのか。まるで人の名前だな。誰かに飼われていたのか?
剛王子
わん(人だよ)
光一王子
あはは。怪我が治るまでここにいるといい。心配しなくても捨てたりはしないから
剛王子
ワン(はい)
光一王子は、つよしの頭を撫でようとした。
すると・・・・
つよし(犬)は、少し警戒したように怯えている。
光一王子
どうした。人が怖いのか?
その怪我も人のせいか?
剛王子
わわん(違う)
光一王子
・・そうか。まぁいい。ゆっくり休め。
光一王子は、優しい笑顔を向けると部屋を出ていった。
剛王子は、しばらく寝ながら考えた。
ずっとこんな風に優しくされたことはなかった。
久しぶりや。
彼なら俺のことをもとに戻してくれるかもしれへん。
そして、いつのまにか朝が来て、彼は目覚めて鏡を見ると・・・
剛王子
!!!!!
もとの姿に戻ってる?
えっ?なんでや?
剛王子
ど、どういうことや
光一王子
剛?目覚めたか
剛王子
・・・・!(やばっ)
光一王子
(笑)犬に言うても仕方ないか。
剛王子
・・・・・・
光一王子
今日1日寝てろ。・・・じゃあな
そう言って犬・・・・に話しかけてくれる光一王子。
部屋に入らずに去っていった。
剛王子
彼は噂どおり優しい人やな
光一王子の優しさは俺の国でも有名や。
あんな優しさがあったら、女の人はほっておけやんよな
それに俺・・・・彼女の妹に、一目惚れしてしまった。
そう、この間助けた少女は、彼の妹だった。

こないだ、知ったんや。
でも、名前なんて言うんやろ。
遠くからしか見ていないから・・・・

あれから3日、なぜか俺専用の部屋を作ってくれて俺に関わらないように餌までも用意してくれた。
剛王子
いやいや、俺人間なんやけど・・・・食べれやん・・・・ことはないけどさ・・・
呪いは、二時間だけ元に戻れるみたいや。
その二時間を、うまくコントロールできるようになったんは、それから5日後やった。
剛王子
この首輪を反対に向けたら・・・・
そう言って首輪をつけると犬になった。
光一王子
つよし、元気になったのか?
剛王子
ワン★
光一王子
そうか。よしよし
俺は、彼に抱かれて少し安心をした。
彼のような人を友人にしたい。
いつのまにかそう思うようになった。
光一王子
つよし・・・と言えば・・・
隣の国に同じ名前の王子がいるな。
剛王子
ドキッ
光一王子
会ったことはないが・・・
心を閉ざしていると聞く・・・・
剛王子
・・・・・
光一王子
人間誰でも完璧なものはいない。
剛王子にもいい友人ができればきっと強くなれる。
なぁ、おまえもそう思わないか?
剛王子
(・・・そうかな。
って、俺本人なんやけど・・・・)
光一王子
お前には好きなやつ(犬)は、いるか?
剛王子
・・・ドキッ
光一王子
俺にもいるよ
彼女は、俺の幼なじみだ
剛王子
ワン★
光一王子
もう、ずっと会っていない・・・・
寂しげな顔をする光一王子の顔をみて、つよしは、
剛王子
ワン★
慰めるかのように舐めた
光一王子
お前、♂のくせに甘えん坊だな
そう言って抱き締めてくれた
光一王子
ありがとな。
私は今から出かける。馬をもってきてくれ
剛王子
ワン★
白馬を光一王子の元へ誘導した。
光一王子
行ってくるな、つよし
まるで人間のように扱ってくれる光一王子に、剛王子は、心を開きつつあった。

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